Race Report- 2024 Round.6 Mobility Resort MOTEGI

RACE REPORT

2024 SEASON. Round.6
Mobility Resort MOTEGI

Race Report —–Round.6 Mobility Resort MOTEGI

  • M2 CS Racing Series
  • MINI CHALLENGE JAPAN

【M2 CS Racing】Round.6 レースレポート

どのマシンが最初にチェッカーフラッグを受けるのか、まったく想像がつかない緊迫したレース展開で、観るものをワクワクさせるワンメイクレース「M2 CS Racing」。その最終ラウンドとなる「BMW & MINI Racing.2024 Round.6 Supported by QUETTA GROUP」が、2024年11月23(土)、24(日)の2日間にわたり、栃木県のモビリティリゾートもてぎで行われました。

いよいよシリーズチャンピオンが決定するラウンド6は、BMW、MINIの正規ディーラーを展開するモトーレン仙台をはじめとする「QUETTA(クエタ)グループ」のサポートを受け開催。 白熱したバトルが見どころなのはもちろんですが、2日目の決勝レースの合間には、参加車両がずらりと並ぶピットの様子をわかりやすい説明を受けながら垣間見ることができるピットツアーや、愛車を運転しサーキットの雰囲気を存分に味わえるパレードランなども開催され、たくさんの来場者が華やかなレースイベントを楽しみました。

2022年よりスタートした「BMW & MINI Racing」は、「M2 CS Racing Series」と「MINI CHALLENGE JAPAN」という2つのレースカテゴリーが共催され、6ラウンド、12戦で競われる今シーズンは、全ラウンドとも1日目に予選、2日目に2回の決勝レースを行うスケジュールで開催されます。

そして、「M2 CS Racing Series」は、日本で唯一の“BMW Group Japan”のオフィシャルレースです。BMW M社とBMW Motorsportが共同開発した限りなくピュア・レーシングカーに近いクラブ・スポーツ・モデル「BMW M2 CS Racing」によるワンメイクレースで、よりスタイリッシュ、そしてスポーツ・ラグジュアリーな大会として開催されています。

「M2 CS Racing Series」は、ワンメイクレースならではの接戦をさらにヒートアップさせるレースフォーマットが採用されているのも大きな特徴です。1日に2回の決勝レースを戦う「1デイ2レース」のほか、決勝レース2は決勝レース1の順位の上位60%までを「逆さま」に入れ替えてスターティンググリッドに並ぶ「リバースグリッド方式」を採用。さらに、独自の「サクセス・ハンディ制」を採っているのも大きな特徴です。

この「サクセス・ハンディ制」は、優勝すると次のラウンドからマシンの出力調整が行われるもの。BMW M2 CS Racingのデフォルトの出力は450馬力ですが、優勝すると次のラウンドは420馬力へと出力が絞られます。ただし、最終ラウンドは優勝経験によるハンディキャップは解消され、パワーは450馬力へと戻されます。

また、国内トップカテゴリーで確かな実績を残しているドライバーは、規定により「プラチナ・ドライバー」および「エキスパート・ドライバー」と認定され、「プラチナ・ドライバー」はマシンの出力が450馬力から365馬力へと2段階抑えられ、「エキスパート・ドライバー」は420馬力へと抑えられた状態からの参戦となります。

なお2024シーズンはレギュレーションに変更があり、コースによって決勝レース2のみローリングスタートで行われることになりました。モビリティリゾートもてぎのレースにはこれが適用されます。

ラウンド6の舞台となるモビリティリゾートもてぎのロードコースは全長4.8km。いくつものストレートをタイトなコーナーでつないだ「ストップ&ゴー」と呼ばれるブレーキに大きな負担がかかるレイアウトが特徴です。なかでも最高速に達するダウンヒル・ストレートからのブレーキングは高いテクニックが求められます。

さて、ラウンド6 モビリティリゾートもてぎのエントリーは以下の通りです。

 

【M2 CS Racing Series.2024 Round.6のエントリーリスト】

 

25 田中 瑞起 TECH-M eWeLL M2 CS Racing

46 髙橋 克彦 Elbe BMW M2 CS Racing

47 舟越 裕介 未来都市開発 砂子塾 M2 CS Racing

50 神頭 政志 GOOU M2 CS Racing with TECH-M

55 石井 一輝 DGMS M2 CS Racing

60 阿部 良太 Abe Motors M2 CS Racing

70 片山 剛  K-TEC M2 CS Racing with TECH-M

710 黒沼 聖那 Starfield M2 CS Racing

 

 

5ラウンドを終えた時点の「M2 CS Racing」のポイントリーダーは406ポイントを獲得した田中選手で、僅差の395ポイントで神頭選手が追い、335ポイントの石井選手、326ポイントの片山選手と続いています。2連覇を果たした水元選手のマシンを受け継ぎ、TECH-M eWeLL Racingに再び栄冠をもたらすべく参戦した田中選手が、みごとシリーズチャンピオンを獲得するのか、それとも他の選手が立ちはだかるのか、最終ラウンドも目が離せません。なお、ラウンド6ではStarfieldから黒沼 聖那選手が初参戦。最終ラウンドはサクセス・ハンディ制により420馬力へとパワーが絞られていたマシンが450馬力へと戻されていますが、黒沼選手は「エキスパート・ドライバー」と認定され、420馬力のマシンでの出場となります。

■予選

 

予選が行われる1日目、決勝2レースが組まれている2日目は、どちらもよく晴れるという予報でしたが、公式予選が行われる23日はまさに快晴。路面はもちろんドライコンディションです。ただし朝から冷え込み、お昼になっても気温は12℃ほどで、スリックタイヤを装着する「M2 CS Racing」の各マシンは、タイヤをしっかり温める必要がありそうです。

そして、予定通りのスケジュールで午後12時ちょうどに30分間の公式予選が始まりました。各車スムーズにピットアウトすると、早くも阿部選手が2周目に2分7秒815をマークしました。エキスパート・ドライバーに認定されている黒沼選手が2分9秒353でこれに続き、片山選手、舟越選手、石井選手、田中選手、神頭選手も、2周目を2分10秒台で周回しました。

そして本格的なアタックが始まったのが3周目。石井選手が2分4秒064の素晴らしいタイムを叩き出し予選トップに立ちました。3周目には阿部選手も石井選手に次ぐ2分4秒386を記録し、神頭選手が2分5秒106、片山選手が2分5秒609、田中選手が2分5秒843と3人が2分5秒台をマークします。

そして4周目に入って躍動したのが田中選手。2分4秒076を出して石井選手に肉薄しました。さらに神頭選手が2分4秒216、黒沼選手が2分4秒187と各ドライバーが2分4秒台前半で鎬を削る大接戦となりました。

しかし、この直後の12時12分に他車のコースアウトで予選は赤旗中断となり、「M2 CS Racing」の各車はいったんピットに戻りました。12時18分に予選が再開すると、神頭選手が8周目に2分4秒150、舟越選手が9周目に2分6秒375、高橋選手が10周目に2分7秒688と自己ベストを更新。

この結果、ポールポジションは石井選手が獲得し、2番手 田中選手、3番手 神頭選手、4番手 黒沼選手、5番手 阿部選手、6番手 片山選手、7番手 舟越選手、8番手 高橋選手という予選結果になりました。

なお、これまでの「M2 CS Racing」のコースレコードは、昨年水元選手がマークした2分4秒815でしたが、上位5名がこの記録を上回るハイレベルな予選となっています。

 

■決勝レース1(第11戦)

 

朝からよく晴れわたった2日目。いよいよシーズンを締めくくる決勝レースが始まります。決勝レース1(第11戦)が11時25分、決勝レース2(第12戦)が午後2時55分スタートというスケジュールで、2戦とも、20分+1Lapにて争われます。

決勝レース1直前の気温は12℃、湿度43%。風は穏やかなものの、1日目と同じようにかなり冷え込みが厳しく感じられます。11時25分にフォーメーションラップが始まり、レース1はスタンディグスタートですので各車再びグリッドに並びますが、前日の予選で7番手につけていた舟越選手が、予選後に規定外のタイヤ交換の必要があったため最後尾グリッドに変更になりました。

そして決勝レース1は11時30分に混乱なくスムーズにスタート。ポールポジションの石井選手が勢いよく飛び出しますが、それ以上に鮮やかな蹴り出しをみせたのが2番グリッドの田中選手でした。石井選手を牽制しつつ前へ出ると、そのままトップで第1コーナーへ。また、スタートでは後続でも順位が入れ替わっており、6番グリッドだった片山選手が5位へ、最後尾からのスタートだった舟越選手が6位につけました。

一方、トップ争いは1周目から熾烈。石井選手が田中選手の後ろにぴたりとつけ、前へ出る機会をうかがい、その後方からは神頭選手と黒沼選手がプレッシャーをかけます。すると石井選手は後半のV字コーナーでアウトから田中選手に並び、続くヘアピンカーブで前へ出ました。こうして1周目は、石井選手、田中選手、神頭選手、黒沼選手、片山選手、舟越選手、阿部選手、高橋選手の順番でコントロールラインを通過しました。

2周目に入ると石井選手は少しずつ田中選手を引き離し、4周目2.68秒、5周目3.68秒、そして5周目には5秒以上とアドバンテージを広げていきました。これに対して激しいバトルとなっていたのが2位争い。2位 田中選手、3位 神頭選手、4位 黒沼選手という順位こそ変わりませんが、3台による接近戦が終盤まで続きました。

また、5周目には阿部選手が舟越選手を抜いて6位へ浮上。「M2 CS Racing」へは今シーズンからの参戦にもかかわらず、目に見えてスキルアップした走りを披露しました。その後は順位に変動はなく、11周を走り終えて決勝レース1が終了。石井選手が2位の田中選手に9秒以上の差をつけて優勝し、3位 神頭選手、4位 黒沼選手、5位 片山選手、6位 阿部選手、7位 舟越選手、8位 高橋選手という結果となりました。

なおファステストラップは、石井選手が3周目にマークした2分4秒956でした。

 

■決勝レース2(第12戦)

 

お昼過ぎからのレース2は、もっと暖かくなるかと思われましたが、レース直前には12.8℃とレース1とそれほど変わらない気温。しかし風が強まり、体感的には寒さを感じる気候です。

さて、今シーズンから「M2 CS Racing」の決勝レース2はローリングスタートで行われ、最終ラウンドのモビリティリゾートもてぎもその例に漏れません。そして、決勝レース2は「リバースグリッド方式」で行われるのも大きな特徴です。決勝レース1の結果をもとに上位60%の順位が逆さまになるので、8台出場のこのレースは、8×0.6=4.8で上位4台が入れ替わることになります。

これによりポールポジションは黒沼選手、2番手が神頭選手、3番手は田中選手、そして4番手が決勝レース1で優勝した石井選手、5番手 片山選手、6番手 阿部選手、7番手 舟越手、8番手 高橋選手という順番でグリッドに並びました。

フォーメーションラップは予定どおり午後2時55分に開始。隊列を整えたマシンがビクトリーコーナを抜けホームストレートに戻ってくると、2時58分に決勝レース2がスタートしました。神頭選手、田中選手、石井選手が一気に加速するものの、ポールポジションの星野選手がしっかりとトップを守り第1コーナーへ進入します。

決勝レース1の勢いをそのまま持続している感のある石井選手は、第3コーナーから第4コーナーのセクションで田中選手を捉え3位に浮上。1周目は黒沼選手、神頭選手、石井選手、田中選手、片山選手、阿部選手、舟越選手、高橋選手の順番でコントロールラインを通過しました。

黒沼選手は2周目に2分5秒014の好タイムをマークし後続との差を広げましたが、サクセス・ハンディ制によるパワーダウンの影響は少なからずあるようで、神頭選手に少しずつ差を詰められていきます。さらには3位の石井選手のプレッシャーも強く、5周目には神頭選手をパスし2位へ順位を上げました。

ここからは石井選手が黒沼選手にピタリとつき、前へ出る機会をうかがいます。そして9周目に入ったところの第1コーナーへの飛び込みで、石井選手がついにトップへ。10周目、そしてラスト11周目も危なげのない走りで、石井選手が決勝レース1に続いて見事2連勝を飾りました。

こうしてレースは14周で終了し、2位は終盤までトップを走った舟越選手、そして3位 片山選手、4位 神頭選手、5位 星野選手、6位 高橋選手、7位 石井選手という結果になりました。

なおファステストラップは、黒沼選手が2周目にマークした2分5秒014でした。

 

M2 CS Racing Series.2024シーズンは、ラウンド1 富士スピードウェイ、ラウンド2 鈴鹿サーキット、ラウンド3 岡山国際サーキット、ラウンド4 スポーツランドSUGO、ラウンド5 富士スピードウェイ、そして最終ラウンドのモビリティリゾートもてぎと各地を転戦。全6ラウンド、12戦でシリーズタイトルを争い、TECH-M eWeLL Racingの田中 瑞起選手が、初参戦でシリーズチャンピオンを獲得しました。

2024シーズンも、たくさんのご来場、そして熱いご声援をお送りいただき、誠にありがとうございました。これからの「BMW & MINI Racing」の熱戦にも、どうぞご期待ください。

【MINI CHALLENGE JAPAN】Round.6レースレポート

エキサイティングなワンメイクレースとしてすっかり定着した「MINI CHALLENGE JAPAN」。その最終ラウンドとなる「BMW & MINI Racing.2024 Round.6 Supported by QUETTA GROUP」が、2024年11月23(土)、24(日)の2日間にわたり、栃木県のモビリティリゾートもてぎで行われました。

いよいよシリーズチャンピオンが決定するラウンド6は、BMW、MINIの正規ディーラーを展開するモトーレン仙台をはじめとする「QUETTA(クエタ)グループ」のサポートを受け開催。 白熱したバトルが見どころなのはもちろんですが、2日目の決勝レースの合間には、参加車両がずらりと並ぶピットの様子をわかりやすい説明を受けながら垣間見ることができるピットツアーや、愛車を運転しサーキットの雰囲気を存分に味わえるパレードランなども開催され、たくさんの来場者が華やかなレースイベントを楽しみました。

今年で3シーズン目となる「BMW & MINI Racing」は、「M2 CS Racing Series」と「MINI CHALLENGE JAPAN」という2つのレースカテゴリーが共催され、6ラウンド、12戦で競われる今シーズンは、全ラウンドとも1日目に予選、2日目に2回の決勝レースを行うスケジュールで開催されます。

見ても乗っても痛快、ミニで本気のスポーツを楽しむ「MINI CHALLENGE JAPAN」は、英国発祥のNew MINIだけのワンメイクレースです。レース専用に開発された車両で競う「New MINI JCW」と、ミニ クーパーS 3ドアのナンバー付き車両による「New MINI CPS」の2クラスが設けられています。

「New MINI JCW」、「New MINI CPS」ともにワンメイクレースならではのバトルが注目ですが、熱戦をさらに盛り上げるスパイスとなっているのがユニークなレースフォーマット。各ラウンドとも1日に2戦を行う「1デイ2レース」で競われるほか、レース2ではレース1の順位の上位60%までを「逆さま」に入れ替えてスターティンググリッドに並ぶ「リバースグリッド方式」を採用しています。

なお2024シーズンはレギュレーションに2つの大きな変更がありました。ひとつめはスタート方式で、コースによって決勝レース2のみローリングスタートで行われることになり、モビリティリゾートもてぎのレースはこれが適用されます。

そしてふたつめはドライバー・ハンディ制です。国内トップカテゴリーで確かな実績を残しているドライバーは、規定により「プラチナ・ドライバー」および「エキスパート・ドライバー」と認定され、「プラチナ・ドライバー」は指定される最低重量よりも50kg重いハンディが課され、「エキスパート・ドライバー」は30kg重いハンディが課されます。そして今年は「New MINI JCW」で2連覇を果たしている木村 建登選手が「エキスパート・ドライバー」に認定されています。

ラウンド6の舞台となるモビリティリゾートもてぎのロードコースは全長4.8km。いくつものストレートをタイトなコーナーでつないだ「ストップ&ゴー」と呼ばれるブレーキに大きな負担がかかるレイアウトが特徴です。なかでも最高速に達するダウンヒル・ストレートからのブレーキングは高いテクニックが求められます。

さて、ラウンド6 モビリティリゾートもてぎのエントリーは以下の通りです。

 

【MINI CHALLENGE JAPAN.2024 Round.6のエントリーリスト】

 

<NEW MINI JCW>

1 木村 建登  TEAM QUETTA F56JCW EVO

3 いとう りな SYCG Racing MINI津/四日市 F56JCW

36 定村 吉高   sam’s RACING CIZ F56 JCW EVO

500 山本 聖渚  TEAM 5ZIGEN F56JCW

 

 

<NEW MINI CPS>

5 大堀 佳祐  M.A.R.T. F56CPS

7 豆野 天星  EPM Racing F56CPS

31 中澤 卓也  EPM Racing IDI アウティスタ F56CPS

358 辻本 始温  ウエインズインポートカーズRT MINI F56CPS

 

 

「New MINI JCW」は、5ラウンド終了時点で497ポイントを獲得した木村選手がチャンピオン争いを一歩リードしていますが、469ポイントで2位につけているのが山本選手。1レースで獲得できるポイントは、決勝ポイントのほかに予選ポイントと決勝ベストラップポイントがあり、もし2レースともすべてのポイントが1位だったとすると118ポイントを手に入れることができます。

それゆえ山本選手が最終戦で目覚ましい結果を残せば木村選手を逆転する可能性が残っているのですが、そんなプレッシャーもあるなか木村選手は、「TEAM QUETTA」をサポートする「QUETTAグループ」の大きな声援を受けて、誰も成しえていないJCW3連覇を果たしたいところでしょう。

一方「New MINI CPS」は、4ラウンドを終えたところで中澤選手と豆野選手が同ポイントでトップに並んでいましたが、5ラウンド終了後は中澤選手が524ポイント、豆野選手が494ポイントと30ポイントの差がつきました。

3位につけているジュン クーパー選手がラウンド6を欠場したため、シリーズチャンピオン争いはこの2人に絞られましたが、どちらが栄冠に輝くのかはまったく見通せません。予選も含めた2日間にわたる戦いがどう展開していくのか? 最後まで目の離せない2024シーズンとなりました。

■予選

 

ラウンド6が開催される2日間はよく晴れるという予報でしたが、公式予選が行われる23日はまさに快晴。路面はもちろんドライコンディションです。ただし朝から冷え込み、お昼になっても気温は12℃ほどで、タイヤをしっかり温める必要がありそうです。

そして、予定通りのスケジュールで午後12時ちょうどに30分間の公式予選が始まりました。「New MINI JCW」は、木村選手が先頭を切ってコースインし、いとう選手、山本選手、定村選手と続きます。このアウトラップで全車いったんピットイン。空気圧をはじめマシンのチェックを行うと再びコースに戻りました。

木村選手といとう選手は2周目もタイヤのウォームアップに費やしましたが、定村選手は2分50秒台、山本選手も2分40秒台とペースを上げてきました。徐々に本格アタックへ移るかと思われましたが、3周目に入ったいとう選手がビクトリーコーナーでコースアウトしてしまいます。いとう選手はサンドトラップから抜け出すことができず、18分ほどを残すところで赤旗中断となり、木村選手、山本選手、定村選手はいったんピットで待機します。

その後12時18分に予選が再開され、ピットで待機していた3台がコースイン。1、2周をかけてしっかりタイヤを温めると、山本選手が5周目に2分10秒916の好タイムをマークしました。続いて木村選手が6周目に2分13秒039、7周目に2分12秒073へタイムを縮めますが、山本選手を捉えるまでには至りません。

一方、定村選手はコンスタントに2分20秒台で周回し、徐々にタイムアップしていくと9周目に2分25秒125を記録。これが自己ベストとなりました。また、いとう選手は幸いにもマシンに大きなダメージがなく、他のマシンからやや遅れて予選に復帰。5周目に2分15秒719を出すと、6周目に2分14秒684へタイムを更新しアタックを終えました。

これでほぼタイムが出揃ったと思われた最終盤、ピットに戻っていた木村選手がタイヤを履き替えると再度コースイン。最後のアタックを試みますが自己ベスト塗り替えることはできませんでした。こうして、「New MINI JCW」の公式予選は、2番手に1秒以上の差をつけた山本選手がポールポジションを獲得。2番手 木村選手、3番手 いとう選手、4番手 定村選手という結果になりました。

さて「New MINI CPS」は、辻本選手、大堀選手、中澤選手、豆野選手の順でコースイン。中澤選手がアウトラップから車両のチェックのためピットインしますが、そのほかのCPSマシンはアタックに向けて周回を続けます。そして3周目には、辻本選手が2分25秒459、大堀選手が2分25秒072とタイムを刻んできました。

さらに辻本選手が4周目に2分25秒410と自己ベストを更新し、それぞれのタイヤがしっかりと温まってきた頃、「New MINI JCW」のいとう選手がコースアウト。これにより12時12分に赤旗中断となり、4台ともにピットへ戻りました。

6分後に予選が再開すると、豆野選手、中澤選手、大堀選手、辻本選手の順でコースへ戻りましたが、そのすぐあとに素晴らしい走りを見せたのが豆野選手です。昨年のシリーズチャンピオンである川福選手がもつ2分23秒803のレコードタイムを塗り替える2分23秒711を自身の3周目に叩き出し、一気にトップへ躍り出ました。

これに引き離されまいとタイムを縮めてきたのが大堀選手。7周目に2分24秒794、続く8周目に2分24秒526と自己ベストを更新し、2番手のポジションを守ります。これに対し、タイムが伸び悩んでいた中澤選手が9周目にようやく2分24秒351をマーク。残り時間があとわずかのところで大堀選手をかわし、2番手に滑り込みました、

これにより「New MINI CPS」の公式予選では豆野選手がポールポジションを獲得。続いて2番手 中澤選手、3番手 大堀選手、4番手 辻本選手という結果になりました。4選手の予選タイムには大きな開きはなく、「New MINI CPS」は決勝レースのバトルが目の離せないものになりそうです。

 

■決勝レース1(第11戦)

 

2日目は、いよいよ決勝。レース1(第11戦)が11時25分、レース2(第12戦)が午後2時55分スタートというスケジュールで、2戦とも、20分+1Lapにて争われます。

決勝レース1直前の気温は12℃、湿度43%。風は穏やかなものの、1日目と同じようにかなり冷え込みが厳しく感じられます。11時25分にフォーメーションラップが始まり、レース1はスタンディグスタートですので各車再びグリッドに並びますが、前日の予選で3番手につけていたいとう選手が、予選後に規定外のタイヤ交換の必要があったため最後尾のグリッドに変更になりました。

そして11時30分、一斉にスタートし決勝レース1が始まりました。山本選手がイン側に切れ込みつつポールショット決めて、第1コーナーを駆け抜けていきます。最後尾からのスタートだったいとう選手は、3番手スタートの定村選手をストレートでかわすと、第1コーナーでは早くも木村選手に迫る勢い。木村選手にピタリと張りつき前へ出る機会をうかがいますが、1周目は山本選手、木村選手、いとう選手、定村選手の順番でメインスタンド前へ戻ってきました。

この1周目でトップの山本選手と木村選手の差はすでに2秒近く開いていましたが、そのギャップは2周目終了時点で4秒以上に広がり、山本選手が早くも独走態勢に入りました。

木村選手は常にいとう選手からプレッシャーを受ける走りが続き、5周目には第5コーナーでかなり接近。ファーストアンダーブリッジから130Rにかけて激しく競いますが、続くS字カーブの手前で、ついにいとう選手が前へ出ました。

その後は各車の間隔が少しずつ大きくなり、順位の変動はなく11周を終えてレースが終了。山本選手が後続に12秒以上の差をつけ、ポール・トゥ・ウィンを飾りました。2位はいとう選手、3位は木村選手、4位は定村選手という結果になりました。

なお「New MINI JCW」のファステストラップは、山本選手が3周目にマークした2分11秒019でした。

一方、中澤選手と豆野選手の激しいバトルに、成長著しい辻本選手と大堀選手がどう絡んでくるのか興味津々の「New MINI CPS」は、4選手ともきれいにスタートを決め、まずは豆野選手がしっかりとポールショットを決めます。しかし、中澤選手もアグレッシブに攻め、豆野選手のすぐ後ろから前へ出る機会をうかがいます。大堀選手、辻本選手もしっかりと追走し、1周目は順位に変動なくコントロールラインを通過しました。

2周目を終えても各車の差は大きく変わらず、とくに豆野選手と中澤選手の接近戦はレース中盤に入っても続きました。そして7周目、第5コーナーで中澤選手が豆野選手のインに切り込み、130Rで並びわずかに前へ出ます。しかし続くS字カーブで豆野選手が再びトップへ。結局、順位は変わりませんでした。

以降も接戦が続きましたが、豆野選手がこの激戦を制し、10周を走ってチェッカーフラッグを受けました。優勝が豆野選手、2位 中澤選手ということで、シリーズチャンピオン争いは最終戦にもつれ込み、3位 大堀選手、4位 辻本選手も果敢に攻めた見どころの多いレースとなりました。

なお「New MINI CPS」のファステストラップは、豆野選手が2周目にマークした2分24秒302でした。

 

■決勝レース2(第12戦)

 

午前に行われた決勝レースから3時間半後。お昼過ぎからのレース2は、もっと暖かくなるかと思われましたが、レース直前には12.8℃とレース1とそれほど変わらない気温です。しかし風が強まり、体感的には寒さを感じる気候となりました。

さて、今シーズンから「MINI CHALLENGE JAPAN」の決勝レース2はローリングスタートで行われ、最終ラウンドのモビリティリゾートもてぎもそれは変わりません。そして、例年通り「リバースグリッド方式」が採用されているのも「MINI CHALLENGE JAPAN」の特徴。決勝レース1の結果をもとに上位60%の順位が逆さまになるので、4台が出場する「New MINI JCW」は、4×0.6=2.4で上位2台が入れ替わります。

これにより「New MINI JCW」のポールポジションはいとう選手、2番手が決勝レース1で優勝した山本選手、3番手 木村選手、4番手 定村選手の順番でグリッドに並ぶことになりました。

QUETTAグループがサポートするラウンド6 モビリティリゾートもてぎは、MINIファンが数多く集い大盛況。レース前のグリッドウォークには多くのギャラリーがマシンを間近にして声援を送りました。そして午後2時55分にフォーメーションラップが開始。クルマを左右に振りタイヤをしっかり温めながらコースを走り、ビクトリーコーナーを立ち上がると、隊列を整えたマシンが午後2時58分にコントロールラインを駆け抜け決勝レース2がスタートしました。

「New MINI JCW」は大きな混乱なくローリングスタートを決め、山本選手が迫るもののいとう選手がきっちりとポールショット。1周目はいとう選手、山本選手、木村選手、定村選手と、順位を変えることなくホームストレートに戻ってきます。

その後はいとう選手と山本選手が接近戦を繰り広げ、木村選手がやや離されるという展開になりましたが、レースが動いたのは4周目。2連勝を飾ってどうしてもシリーズチャンピオンを手中に収めたい山本選手は、V字コーナーで仕掛けるとヘアピンカーブまでには抜ききれなかったものの、ダウンヒルストレートでいとう選手に並び、続く90度コーナーで抜ききりました。

いとう選手は必死に食い下がりますが、しだいに引き離され山本選手がアドバンテージを広げます。こうして山本選手は、4周目にトップに立ったあとは他を寄せ付けず、11周を走りきりトップチェッカーを受けました。山本選手はラウンド6を通して、予選、決勝レース、決勝レースのファステストラップのすべてで1位となる完璧な2連勝。2位はいとう選手、3位は木村選手、4位が定村選手という結果になりました。

なお、ファステストラップは、山本選手が6周目にマークした2分11秒573でした。

さて、こちらも「New MINI JCW」と同じく熱戦に手に汗握った「New MINI CPS」。グリッド順は「リバースグリッド方式」によって2台が入れ替わり、ポールポジションは中澤選手、2番手が決勝レース1で優勝した豆野選手、3番手 大堀選手、4番手 辻本選手の順番でグリッドに並びました。

そして4台ともにフォーメーションラップからローリングスタートをスムーズに決め、レースが始まりましたが、1周目から中澤選手と豆野選手が激しいバトルを繰り広げ、大堀選手と辻本選手もこの2人をしっかりと追走し、目の離せない展開となりました。3周目までこの状況が続きますが、第1コーナーで豆野選手が中澤選手に接触し、中澤選手がスローダウンしたところで豆野選手が前へ出てトップに立ちます。

その後も接戦は続きましたが、レース終盤になると中澤選手が少しずつ離されていきました。こうして10周を終え、豆野選手が決勝レース1に続いて2連勝。2位 中澤選手、3位 大堀選手、4位 辻本選手という結果になりました。

なお、ファステストラップは、豆野選手が5周目にマークした2分24秒165でした。

 

MINI CHALLENGE JAPAN.2024シーズンは、ラウンド1 富士スピードウェイ、ラウンド2 鈴鹿サーキット、ラウンド3 岡山国際サーキット、ラウンド4 スポーツランドSUGO、ラウンド5 富士スピードウェイ、そして最終ラウンドのモビリティリゾートもてぎと各地を転戦。全6ラウンド、12戦でシリーズタイトルを争い、「New MINI JCW」はTEAM 5ZIGENの山本 聖渚選手が、「New MINI CPS」はEPM Racingの豆野 天星選手がシリーズチャンピオンを獲得しました。

2024シーズンも、たくさんのご来場、そして熱いご声援をお送りいただき、誠にありがとうございました。これからの「BMW & MINI Racing」の熱戦にも、どうぞご期待ください。

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