RACE REPORT
2024 SEASON. Round.6
Mobility Resort MOTEGI
Race Report —–Round.6 Mobility Resort MOTEGI
【M2 CS Racing】Round.6 レースレポート
どのマシンが最初にチェッカーフラッグを受けるのか、まったく想像がつかない緊迫したレース展開で、観るものをワクワクさせるワンメイクレース「M2 CS Racing」。その最終ラウンドとなる「BMW & MINI Racing.2024 Round.6 Supported by QUETTA GROUP」が、2024年11月23(土)、24(日)の2日間にわたり、栃木県のモビリティリゾートもてぎで行われました。
いよいよシリーズチャンピオンが決定するラウンド6は、BMW、MINIの正規ディーラーを展開するモトーレン仙台をはじめとする「QUETTA(クエタ)グループ」のサポートを受け開催。 白熱したバトルが見どころなのはもちろんですが、2日目の決勝レースの合間には、参加車両がずらりと並ぶピットの様子をわかりやすい説明を受けながら垣間見ることができるピットツアーや、愛車を運転しサーキットの雰囲気を存分に味わえるパレードランなども開催され、たくさんの来場者が華やかなレースイベントを楽しみました。
2022年よりスタートした「BMW & MINI Racing」は、「M2 CS Racing Series」と「MINI CHALLENGE JAPAN」という2つのレースカテゴリーが共催され、6ラウンド、12戦で競われる今シーズンは、全ラウンドとも1日目に予選、2日目に2回の決勝レースを行うスケジュールで開催されます。
そして、「M2 CS Racing Series」は、日本で唯一の“BMW Group Japan”のオフィシャルレースです。BMW M社とBMW Motorsportが共同開発した限りなくピュア・レーシングカーに近いクラブ・スポーツ・モデル「BMW M2 CS Racing」によるワンメイクレースで、よりスタイリッシュ、そしてスポーツ・ラグジュアリーな大会として開催されています。
「M2 CS Racing Series」は、ワンメイクレースならではの接戦をさらにヒートアップさせるレースフォーマットが採用されているのも大きな特徴です。1日に2回の決勝レースを戦う「1デイ2レース」のほか、決勝レース2は決勝レース1の順位の上位60%までを「逆さま」に入れ替えてスターティンググリッドに並ぶ「リバースグリッド方式」を採用。さらに、独自の「サクセス・ハンディ制」を採っているのも大きな特徴です。
この「サクセス・ハンディ制」は、優勝すると次のラウンドからマシンの出力調整が行われるもの。BMW M2 CS Racingのデフォルトの出力は450馬力ですが、優勝すると次のラウンドは420馬力へと出力が絞られます。ただし、最終ラウンドは優勝経験によるハンディキャップは解消され、パワーは450馬力へと戻されます。
また、国内トップカテゴリーで確かな実績を残しているドライバーは、規定により「プラチナ・ドライバー」および「エキスパート・ドライバー」と認定され、「プラチナ・ドライバー」はマシンの出力が450馬力から365馬力へと2段階抑えられ、「エキスパート・ドライバー」は420馬力へと抑えられた状態からの参戦となります。
なお2024シーズンはレギュレーションに変更があり、コースによって決勝レース2のみローリングスタートで行われることになりました。モビリティリゾートもてぎのレースにはこれが適用されます。
ラウンド6の舞台となるモビリティリゾートもてぎのロードコースは全長4.8km。いくつものストレートをタイトなコーナーでつないだ「ストップ&ゴー」と呼ばれるブレーキに大きな負担がかかるレイアウトが特徴です。なかでも最高速に達するダウンヒル・ストレートからのブレーキングは高いテクニックが求められます。
さて、ラウンド6 モビリティリゾートもてぎのエントリーは以下の通りです。
【M2 CS Racing Series.2024 Round.6のエントリーリスト】
25 田中 瑞起 TECH-M eWeLL M2 CS Racing
46 髙橋 克彦 Elbe BMW M2 CS Racing
47 舟越 裕介 未来都市開発 砂子塾 M2 CS Racing
50 神頭 政志 GOOU M2 CS Racing with TECH-M
55 石井 一輝 DGMS M2 CS Racing
60 阿部 良太 Abe Motors M2 CS Racing
70 片山 剛 K-TEC M2 CS Racing with TECH-M
710 黒沼 聖那 Starfield M2 CS Racing
5ラウンドを終えた時点の「M2 CS Racing」のポイントリーダーは406ポイントを獲得した田中選手で、僅差の395ポイントで神頭選手が追い、335ポイントの石井選手、326ポイントの片山選手と続いています。2連覇を果たした水元選手のマシンを受け継ぎ、TECH-M eWeLL Racingに再び栄冠をもたらすべく参戦した田中選手が、みごとシリーズチャンピオンを獲得するのか、それとも他の選手が立ちはだかるのか、最終ラウンドも目が離せません。なお、ラウンド6ではStarfieldから黒沼 聖那選手が初参戦。最終ラウンドはサクセス・ハンディ制により420馬力へとパワーが絞られていたマシンが450馬力へと戻されていますが、黒沼選手は「エキスパート・ドライバー」と認定され、420馬力のマシンでの出場となります。
■予選
予選が行われる1日目、決勝2レースが組まれている2日目は、どちらもよく晴れるという予報でしたが、公式予選が行われる23日はまさに快晴。路面はもちろんドライコンディションです。ただし朝から冷え込み、お昼になっても気温は12℃ほどで、スリックタイヤを装着する「M2 CS Racing」の各マシンは、タイヤをしっかり温める必要がありそうです。
そして、予定通りのスケジュールで午後12時ちょうどに30分間の公式予選が始まりました。各車スムーズにピットアウトすると、早くも阿部選手が2周目に2分7秒815をマークしました。エキスパート・ドライバーに認定されている黒沼選手が2分9秒353でこれに続き、片山選手、舟越選手、石井選手、田中選手、神頭選手も、2周目を2分10秒台で周回しました。
そして本格的なアタックが始まったのが3周目。石井選手が2分4秒064の素晴らしいタイムを叩き出し予選トップに立ちました。3周目には阿部選手も石井選手に次ぐ2分4秒386を記録し、神頭選手が2分5秒106、片山選手が2分5秒609、田中選手が2分5秒843と3人が2分5秒台をマークします。
そして4周目に入って躍動したのが田中選手。2分4秒076を出して石井選手に肉薄しました。さらに神頭選手が2分4秒216、黒沼選手が2分4秒187と各ドライバーが2分4秒台前半で鎬を削る大接戦となりました。
しかし、この直後の12時12分に他車のコースアウトで予選は赤旗中断となり、「M2 CS Racing」の各車はいったんピットに戻りました。12時18分に予選が再開すると、神頭選手が8周目に2分4秒150、舟越選手が9周目に2分6秒375、高橋選手が10周目に2分7秒688と自己ベストを更新。
この結果、ポールポジションは石井選手が獲得し、2番手 田中選手、3番手 神頭選手、4番手 黒沼選手、5番手 阿部選手、6番手 片山選手、7番手 舟越選手、8番手 高橋選手という予選結果になりました。
なお、これまでの「M2 CS Racing」のコースレコードは、昨年水元選手がマークした2分4秒815でしたが、上位5名がこの記録を上回るハイレベルな予選となっています。
■決勝レース1(第11戦)
朝からよく晴れわたった2日目。いよいよシーズンを締めくくる決勝レースが始まります。決勝レース1(第11戦)が11時25分、決勝レース2(第12戦)が午後2時55分スタートというスケジュールで、2戦とも、20分+1Lapにて争われます。
決勝レース1直前の気温は12℃、湿度43%。風は穏やかなものの、1日目と同じようにかなり冷え込みが厳しく感じられます。11時25分にフォーメーションラップが始まり、レース1はスタンディグスタートですので各車再びグリッドに並びますが、前日の予選で7番手につけていた舟越選手が、予選後に規定外のタイヤ交換の必要があったため最後尾グリッドに変更になりました。
そして決勝レース1は11時30分に混乱なくスムーズにスタート。ポールポジションの石井選手が勢いよく飛び出しますが、それ以上に鮮やかな蹴り出しをみせたのが2番グリッドの田中選手でした。石井選手を牽制しつつ前へ出ると、そのままトップで第1コーナーへ。また、スタートでは後続でも順位が入れ替わっており、6番グリッドだった片山選手が5位へ、最後尾からのスタートだった舟越選手が6位につけました。
一方、トップ争いは1周目から熾烈。石井選手が田中選手の後ろにぴたりとつけ、前へ出る機会をうかがい、その後方からは神頭選手と黒沼選手がプレッシャーをかけます。すると石井選手は後半のV字コーナーでアウトから田中選手に並び、続くヘアピンカーブで前へ出ました。こうして1周目は、石井選手、田中選手、神頭選手、黒沼選手、片山選手、舟越選手、阿部選手、高橋選手の順番でコントロールラインを通過しました。
2周目に入ると石井選手は少しずつ田中選手を引き離し、4周目2.68秒、5周目3.68秒、そして5周目には5秒以上とアドバンテージを広げていきました。これに対して激しいバトルとなっていたのが2位争い。2位 田中選手、3位 神頭選手、4位 黒沼選手という順位こそ変わりませんが、3台による接近戦が終盤まで続きました。
また、5周目には阿部選手が舟越選手を抜いて6位へ浮上。「M2 CS Racing」へは今シーズンからの参戦にもかかわらず、目に見えてスキルアップした走りを披露しました。その後は順位に変動はなく、11周を走り終えて決勝レース1が終了。石井選手が2位の田中選手に9秒以上の差をつけて優勝し、3位 神頭選手、4位 黒沼選手、5位 片山選手、6位 阿部選手、7位 舟越選手、8位 高橋選手という結果となりました。
なおファステストラップは、石井選手が3周目にマークした2分4秒956でした。
■決勝レース2(第12戦)
お昼過ぎからのレース2は、もっと暖かくなるかと思われましたが、レース直前には12.8℃とレース1とそれほど変わらない気温。しかし風が強まり、体感的には寒さを感じる気候です。
さて、今シーズンから「M2 CS Racing」の決勝レース2はローリングスタートで行われ、最終ラウンドのモビリティリゾートもてぎもその例に漏れません。そして、決勝レース2は「リバースグリッド方式」で行われるのも大きな特徴です。決勝レース1の結果をもとに上位60%の順位が逆さまになるので、8台出場のこのレースは、8×0.6=4.8で上位4台が入れ替わることになります。
これによりポールポジションは黒沼選手、2番手が神頭選手、3番手は田中選手、そして4番手が決勝レース1で優勝した石井選手、5番手 片山選手、6番手 阿部選手、7番手 舟越手、8番手 高橋選手という順番でグリッドに並びました。
フォーメーションラップは予定どおり午後2時55分に開始。隊列を整えたマシンがビクトリーコーナを抜けホームストレートに戻ってくると、2時58分に決勝レース2がスタートしました。神頭選手、田中選手、石井選手が一気に加速するものの、ポールポジションの星野選手がしっかりとトップを守り第1コーナーへ進入します。
決勝レース1の勢いをそのまま持続している感のある石井選手は、第3コーナーから第4コーナーのセクションで田中選手を捉え3位に浮上。1周目は黒沼選手、神頭選手、石井選手、田中選手、片山選手、阿部選手、舟越選手、高橋選手の順番でコントロールラインを通過しました。
黒沼選手は2周目に2分5秒014の好タイムをマークし後続との差を広げましたが、サクセス・ハンディ制によるパワーダウンの影響は少なからずあるようで、神頭選手に少しずつ差を詰められていきます。さらには3位の石井選手のプレッシャーも強く、5周目には神頭選手をパスし2位へ順位を上げました。
ここからは石井選手が黒沼選手にピタリとつき、前へ出る機会をうかがいます。そして9周目に入ったところの第1コーナーへの飛び込みで、石井選手がついにトップへ。10周目、そしてラスト11周目も危なげのない走りで、石井選手が決勝レース1に続いて見事2連勝を飾りました。
こうしてレースは14周で終了し、2位は終盤までトップを走った舟越選手、そして3位 片山選手、4位 神頭選手、5位 星野選手、6位 高橋選手、7位 石井選手という結果になりました。
なおファステストラップは、黒沼選手が2周目にマークした2分5秒014でした。
M2 CS Racing Series.2024シーズンは、ラウンド1 富士スピードウェイ、ラウンド2 鈴鹿サーキット、ラウンド3 岡山国際サーキット、ラウンド4 スポーツランドSUGO、ラウンド5 富士スピードウェイ、そして最終ラウンドのモビリティリゾートもてぎと各地を転戦。全6ラウンド、12戦でシリーズタイトルを争い、TECH-M eWeLL Racingの田中 瑞起選手が、初参戦でシリーズチャンピオンを獲得しました。
2024シーズンも、たくさんのご来場、そして熱いご声援をお送りいただき、誠にありがとうございました。これからの「BMW & MINI Racing」の熱戦にも、どうぞご期待ください。