Race Report- 2024 Round.4 SPORTSLAND SUGO

RACE REPORT

2024 SEASON. Round.4
SPORTSLAND SUGO

Race Report —–Round.4 SPORTSLAND SUGO

  • M2 CS Racing Series
  • MINI CHALLENGE JAPAN

【M2 CS Racing】Round.4 レースレポート

激しいバトルが繰り広げられている2024シーズンはいよいよ後半戦へ。「BMW & MINI Racing.2024 Round.4 SPORTSLAND SUGO. Supported by QUETTA GROUP」が、2024年7月20(土)、21日(日)の2日間にわたり、宮城県のスポーツランドSUGOで行われました。

今年で3シーズン目となる「BMW & MINI Racing」は、「M2 CS Racing Series」と「MINI CHALLENGE JAPAN」という2つのレースカテゴリーが共催され、6ラウンド、12戦で競われる今シーズンは、全ラウンドとも1日目に予選、2日目に2回の決勝レースを行うスケジュールで開催されます。

2022年よりスタートした「M2 CS Racing Series」は、日本で唯一の“BMW Group Japan”のオフィシャルレースです。BMW M社とBMW Motorsportが共同開発した限りなくピュア・レーシングカーに近いクラブ・スポーツ・モデル「BMW M2 CS Racing」によるワンメイクレースで、よりスタイリッシュ、そしてスポーツ・ラグジュアリーな大会として開催されています。

1日に2回の決勝レースを戦う「1デイ2レース」のほか、決勝レース2は決勝レース1の順位の上位60%までを「逆さま」に入れ替えてスターティンググリッドに並ぶ「リバースグリッド方式」を採用。ワンメイクレースならではの接戦をさらにヒートアップさせるレースフォーマットが採用され見どころ満載となっていますが、「M2 CS Racing Series」は「サクセス・ハンディ制」を採っているのも大きな特徴です。

この「サクセス・ハンディ制」は、優勝すると次のラウンドからマシンの出力調整が行われるもの。BMW M2 CS Racingのデフォルトの出力は450馬力ですが、優勝すると次のラウンドは420馬力に、2ラウンドで優勝すると次戦は365馬力へと、優勝したラウンド数によって段階的に出力が絞られます。

また、国内トップカテゴリーで確かな実績を残しているドライバーは、規定により「プラチナ・ドライバー」および「エキスパート・ドライバー」と認定され、「プラチナ・ドライバー」はマシンの出力が450馬力から365馬力へと2段階抑えられ、「エキスパート・ドライバー」は420馬力へと抑えられた状態からの参戦となります。

なお今シーズンはスタート方式に変更があり、コースによって決勝レース2のみローリングスタートで行われることになり、スポーツランドSUGOのレースはこれが適用されます。

ラウンド4の舞台となるスポーツランドSUGOは、スーパーフォーミュラ、SUPER GTといった国内トップカテゴリーのレースも行われている国際レーシングコースです。約73mの高低差をいかしたレイアウトと大小さまざまなコーナーがちりばめられた、攻め甲斐のあるテクニカルサーキットとして知られています。

スピードに乗ったバックストレートから、フルブレーキングで進入する馬の背コーナーでのかけ引き。さらには、最終コーナーからホームストレートにかけての10%というきつい登り勾配でのバトルなど見どころがたくさん。コース幅が狭く、オーバーテイクのポイントが少ないとも言われますが、さて今年はどんなドラマが生まれるのでしょうか。

またSUGOラウンドは、BMW、MINIの正規ディーラーを展開するモトーレン仙台をはじめとする「QUETTA(クエタ)グループ」のサポートを受け開催。2日目の決勝レースの合間には、参加車両がずらりと並ぶピットの様子をわかりやすい説明を受けながら垣間見ることができるピットツアーや、愛車を運転しサーキットの雰囲気を存分に味わえるパレードランなども開催され、たくさんの来場者が華やかなレースイベントを楽しみました。

 

【M2 CS Racing Series.2024 Round.1のエントリーリスト】

 

25 田中 瑞起 TECH-M eWeLL M2 CS Racing

☆46 髙橋 克彦 Elbe BMW M2 CS Racing

☆47 舟越 裕介 未来都市開発 砂子塾 M2 CS Racing

50 神頭 政志 GOOU M2 CS Racing with TECH-M

55 石井 一輝 DGMS M2 CS Racing

☆60 阿部 良太 Abe Motors M2 CS Racing

☆70 片山 剛  K-TEC M2 CS Racing with TECH-M

710 星野 雅空 Starfield M2 CS Racing

 

3ラウンドを終えた時点のM2 CS Racingのポイントリーダーは237ポイントを獲得した片山選手で、235ポイントの田中選手、228ポイントの神頭選手と続いています。また、それぞれ1ラウンドを欠場した4位 星野選手、5位 石井選手もラウンド4 SUGOは出場し上位を虎視眈々と狙っており、白熱した接戦が予想されます。

なお、前述の通りM2 CS Racingでは、サクセス・ハンディ制を採用。優勝すると次のレースからマシンのパワーが450馬力から420馬力へと絞られます。ラウンド4 SUGOでは、田中選手、神頭選手、石井選手、星野選手が420馬力での出場となります。また、プラチナ・ドライバー、エキスパート・ドライバーに認定された選手は出場していません。

■予選

公式予選が行われた7月20日(土)は、午前8時には気温が25℃を超える暑い一日。コースインは午後3時25分の予定で、午後は雲の多い空模様となったものの、予選直前には気温30℃、湿度80%とかなりの蒸し暑さを感じ、路面温度も42〜45℃ほどと真夏らしいコースコンディションとなりました。お昼過ぎには雨がぱらつくという予報があり、雷雨注意報も出ていましたが、予選時間中はドライコンディションで走行できそうです。

そして、予定より5分遅れのスケジュールで15分間の公式予選がスタート。片山選手が先頭でピットレーンを後にし、田中選手、阿部選手、星野選手、高橋選手、石井選手、舟越選手、神頭選手と続きます。ベストタイムを記録するのは3周目あたりと思われましたが、舟越選手選手がいきなり1周目で1分32秒741の好タイムを記録し、片山選手が2周目に1分32秒917と舟越選手のタイムに迫ります。

これを2周目に上回ってきたのが、1分32秒031を出した田中選手で、続く3周目には1分30秒926とM2 CS Racingのコースレコードとなるタイムを叩き出しました。さらに3周目には、石井選手が1分31秒057、神頭選手が1分31秒328と従来のコースレコードを破るタイムをマークし、星野選手が1分31秒759で上位3人に続き、高橋選手も3周目に1分34秒672の自己ベストを記録しました。

以降は片山選手が4周目に1分31秒822で自己ベストを更新し、じわじわとタイムを詰めてきていた阿部選手が5周目に1分32秒822を出し、各車5〜8周して公式予選が終了。しかし、6番手のタイムをマークした舟越選手が、ピットレーン速度違反により1グリッド降格となり、ポールポジション 田中選手、2番手 石井選手、3番手 神頭選手、4番手 星野選手、5番手 片山選手、6番手 阿部選手、7番手 舟越選手、8番手 高橋選手という予選結果になりました。

 

■決勝レース1(第7戦)

2日目は、決勝レース1(第7戦)が9時55分、決勝レース2(第8戦)が午後3時スタートというスケジュールです。前日に続き雷注意報が出ていますが、午前中はよく晴れわたり、決勝レース1直前の9時30分には気温29℃、湿度75%。風がほとんどないので、立っているだけで汗が出てくるような蒸し暑さは相変わらず。路面温度も50℃近くなり、タイヤマネージメントも重要なレースとなりそうです。なお、予選6番手につけていた阿部選手は予選後にマシントラブルが発覚し、残念ながら決勝レースに出場することができませんでした。

そして決勝レース1は9時58分にアクシデントなく全車スムーズにスタート。ポールポジションの田中選手が冷静にポールショットを決め先頭で第1コーナーに入ると、2番グリッドの石井選手は逆にアウトから攻めますが前へ出ることはできません。第2コーナー以降も石井選手が猛烈にプッシュしますが、田中選手はトップをしっかりと守ります。その後方でもバトルが展開され、第1コーナーを抜けたところで、5番手の片山選手が星野選手をパスし4番手へ浮上。こうして1周目は、田中選手、石井選手、神頭選手、片山選手、星野選手、舟越選手、高橋選手の順番でコントロールラインを通過しました。

2、3、4周目は各車がある程度の距離を保ちつつ順位を変えずにレースが進行。タイヤを労りながら終盤に勝負のポイントを置くようなレース展開かと思われたなか、他車が馬の背コーナーでコースアウトしたことにより5周目からセーフティカーが導入されます。この5周目には片山選手がスピンにより6位へ後退し、4位 星野選手、5位 舟越選手となりましたが、サンドトラップに捕まったマシンの移動に時間がかかったため、セーフティカーは9周目まで走行。残り5分を切ったところでリスタートとなりました。

ここで3位につけていた神頭選手がマシントラブルでピットイン。トップを走る田中選手とそれを追う石井選手との一騎打ちの様相となります。しかしその後は順位に変動はなく、12周を終えたところでレースが終了。田中選手がポール・トゥ・ウィンを飾り、決勝レース1を制しました。そして2位 石井選手、3位 星野選手、4位 舟越選手、5位 高橋選手、6位 片山選手、7位 神頭選手という結果となりました。

なおファステストラップは、神頭選手が2周目にマークした1分31秒614でした。

 

■決勝レース2(第8戦)

決勝レース1終了後も気温はさらに上昇し、それとともに路面温度も一時は60℃に届きそうなほど上がりましたが、お昼過ぎから雲が日差しを遮り、風が強さを増したことで少しずつ過ごしやすくなりました。さらに午後2時過ぎには小雨が降ったものの大きな影響はなく、午後3時からの決勝レース2に「M2 CS Racing」のマシンは全車スリックタイヤで臨みます。直前の天候は気温29℃弱、湿度77%と、決勝レース1に近いものとなりましたが、路面温度は46〜50℃と厳しいコンディションであることは変わりません。

さて、今シーズンから「M2 CS Racing」の決勝レース2はローリングスタートで行われ、スポーツランドSUGOもその例に漏れません。そして、決勝レース2は「リバースグリッド方式」で行われます。決勝レース1の結果をもとに上位60%の順位が逆さまになるので、7台出場のこのレースは、7×0.6=4.2で上位4台が入れ替わります。

これによりポールポジションは舟越選手、2番手が星野選手、3番手は石井選手、そして4番手が決勝レース1で優勝した田中選手、5番手 高橋選手、6番手 片山選手、7番手 神頭選手という順番でグリッドに並びました。

多くのギャラリーがグリッドについたマシンを間近にして声援を送ったグリッドウォークを終えると、フォーメーションラップが午後3時ちょうどに開始。隊列を整えたマシンがホームストレートに戻ってくると、3時2分に決勝レース2がスタートしました。2番手の星野選手が一気に加速するものの、ポールポジションの舟越選手がしっかりとトップを守り、この2台に石井選手、田中選手が続きます。

その後方では第2コーナーをところで片山選手と神頭選手が高橋選手を捉え、それぞれ5位、6位に順位を上げます。こうして1周目は、舟越選手がトップを明け渡すことなくコントロールラインを通過し、星野選手、石井選手、田中選手、片山選手、神頭選手、高橋選手と続きました。

舟越選手は2周目以降も後続から強烈なプレッシャーを受け続け、高橋選手はやや離れたましたが6台は接近戦を繰り広げます。その後は片山選手と神頭選手が前方の4台に遅れたものの、なんと7周目までこの順位のままでレースが進みました。順位に変動があったのは8周目。神頭選手が片山選手を抜いて5番手に浮上しました。そして10周目に入ると石井選手のペースが落ち、少しずつ順位を落としていき、それ以降は舟越選手、星野選手、田中選手の三つ巴の戦いとなりました。

すると12周目、最終コーナーで舟越選手が大きく膨らんでしまったところを、星野選手と田中選手がインをつき前へ。さらにホームストレート手前で田中選手が星野選手を抜き去り、一躍トップに躍り出ました。しかし、3位に後退した舟越選手も負けてはいません。ストレートエンドで星野選手を抜き返し、2位へ浮上します。

一方、13周目に入ると田中選手は一気に後方を引き離し、アドバンテージを広げていきますが、2位以降は舟越選手、星野選手、そして2台に追いついた片山選手の3台が激しく争い、星野選手と片山選手が接触。これにより星野選手は最終周にピットインし、ピットチェッカーとなりました。

こうしてレースは14周で終了し、田中選手が決勝レース1に続いて見事2連勝を飾りました。2位は終盤までトップを走った舟越選手、そして3位 片山選手、4位 神頭選手、5位 星野選手、6位 高橋選手、7位 石井選手という結果になりました。

なおファステストラップは、神頭選手が2周目にマークした1分32秒044でした。

M2 CS Racing Series.2024シーズンは、ラウンド4 スポーツランドSUGOに続き、ラウンド5 富士スピードウェイ、そして最終ラウンドはモビリティリゾートもてぎが舞台となり、全6ラウンド、12戦でシリーズタイトルを争います。これからの「BMW & MINI Racing」の熱戦に、どうぞご期待ください。

Round.5以降の「BMW & MINI Racing.2024」のレースカレンダーは以下の通り。

 

Round.5

第9戦/第10戦  富士スピードウェイ(静岡県)

予選:10月5日(土)、決勝:10月6日(日)

Round.6

第11戦/第12戦 モビリティリゾートもてぎ(栃木県)

予選:11月23日(土)、決勝:11月24日(日)

【MINI CHALLENGE JAPAN】Round.4レースレポート

ワンメイクレースならではの見応えある接戦が続いている2024シーズンが、いよいよ後半戦へと突入。2024年7月20(土)、21日(日)の2日間にわたって、「「BMW & MINI Racing.2024 Round.4 SPORTSLAND SUGO. Supported by QUETTA GROUP」が、宮城県のスポーツランドSUGOで開催されました。

今年で3シーズン目となる「BMW & MINI Racing」は、「MINI CHALLENGE JAPAN」と「M2 CS Racing Series」という2つのレースカテゴリーが共催され、6ラウンド、12戦で競われる今シーズンは、全ラウンドとも1日目に予選、2日目に2回の決勝レースを行うスケジュールで開催されます。

「MINI CHALLENGE JAPAN」は英国発祥のNew MINIだけのワンメイクレースです。レース専用に開発された車両で競う「New MINI JCW」と、ミニ クーパーS 3ドアのナンバー付き車両による「New MINI CPS」の2クラスが設けられています。

「New MINI JCW」、「New MINI CPS」ともにワンメイクレースならではのバトルが注目ですが、熱戦をさらに盛り上げるスパイスとなっているのがユニークなレースフォーマット。各ラウンドとも1日に2戦を行う「1デイ2レース」で競われるほか、レース2ではレース1の順位の上位60%までを「逆さま」に入れ替えてスターティンググリッドに並ぶ「リバースグリッド方式」を採用しています。

なお今シーズンはレギュレーションに2つの大きな変更がありました。ひとつめはスタート方式で、コースによって決勝レース2のみローリングスタートで行われることになり、スポーツランドSUGOのレースはこれが適用されます。

そしてふたつめはドラオバー・ハンディ制です。国内トップカテゴリーで確かな実績を残しているドライバーは、規定により「プラチナ・ドライバー」および「エキスパート・ドライバー」と認定され、「プラチナ・ドライバー」は指定される最低重量よりも50kg重いハンディが課され、「エキスパート・ドライバー」は30kg重いハンディが課されます。そして今年は「New MINI JCW」の木村 建登選手が「エキスパート・ドライバー」に認定されています。

ラウンド4の舞台となるスポーツランドSUGOは、スーパーフォーミュラ、SUPER GTといった国内トップカテゴリーのレースも行われている国際レーシングコースです。約73mの高低差をいかしたレイアウトと大小さまざまなコーナーがちりばめられた、攻め甲斐のあるテクニカルサーキットとして知られています。

スピードに乗ったバックストレートから、フルブレーキングで進入する馬の背コーナーでのかけ引き。さらには、最終コーナーからホームストレートにかけての10%というきつい登り勾配でのバトルなど見どころがたくさん。コース幅が狭く、オーバーテイクのポイントが少ないとも言われますが、さて今年はどんなドラマが生まれるのでしょうか。

またSUGOラウンドは、BMW、MINIの正規ディーラーを展開するモトーレン仙台をはじめとする「QUETTA(クエタ)グループ」のサポートを受け開催。2日目の決勝レースの合間には、参加車両がずらりと並ぶピットの様子をわかりやすい説明を受けながら垣間見ることができるピットツアーや、愛車を運転しサーキットの雰囲気を存分に味わえるパレードランなども開催され、たくさんの来場者が華やかなレースイベントを楽しんでいました。

 

【MINI CHALLENGE JAPAN.2024 Round.1のエントリーリスト】

 

<NEW MINI JCW>

1 木村 建登  TEAM QUETTA F56JCW EVO

3 いとう りな SYCG Racing MINI津/四日市 F56JCW

36 定村 吉高   sam’s RACING CIZ F56 JCW EVO

500 山本 聖渚  TEAM 5ZIGEN F56JCW

 

<NEW MINI CPS>

7 豆野 天星  EPM Racing F56CPS

31 中澤 卓也  EPM Racing IDI アウティスタ F56CPS

358 辻本 始温  ウエインズインポートカーズRT MINI F56CPS

 

「New MINI JCW」は、3ラウンド終了時点で303ポイントを獲得した山本選手がシリーズ争いの先頭に立っていますが、わずか4ポイント差の299ポイントで木村選手が肉薄し、いとう選手が273ポイント、定村選手が172ポイントで後を追っています。そのなかでも木村選手は、「TEAM QUETTA」をサポートする「QUETTAグループ」のお膝元といえるスポーツランドSUGOでのレースとなり、ぜひとも好結果を残したいところでしょう。

一方「New MINI CPS」は、3ラウンドを終えたところで300ポイントをあげた豆野選手がトップに立ちました。そして良きチームメイトでライバルでもある中澤選手が291ポイントで続き、ジュン クーパー選手が245ポイントで3位につけています。ラウンド4 SUGOはジュン クーパー選手が欠場となりましたが、ラウンド2 鈴鹿に初参戦した辻本選手がエントリー。豆野、中澤両選手の一騎打ちとなるのか、それとも辻本選手が割って入るのか、注目が集まります。

■予選

 

お昼過ぎに雨がぱらつくという予報があり、加えて雷雨注意報も出て空模様が気になる第1日目でしたが、午後3時45分から15分間の公式予選は、降雨の心配なくドライコンディションで行われました。それでも午前8時にはすでに気温が25℃を超え、予選直前には気温30℃、湿度80%とかなりの蒸し暑さを感じ、路面温度も42〜45℃ほどと真夏らしい一日となりました。

さて、「MINI CHALLENGE JAPAN」の公式予選は、予定通りのスケジュールでスタート。「New MINI JCW」は木村選手が先頭を切ってコースインし、いとう選手、定村選手、山本選手の順でピットロードをあとにします。定村選手と山本選手はそのアウトラップからいったんピットインし車両のチェックを行いましたが、木村選手といとう選手は1周目からハイペースでタイムを刻み、木村選手が1分35秒701、いとう選手が1分36秒553をマークしました。

木村選手は2周目に1分35秒603とさらにタイムを縮め、3周を終えピットイン。いとう選手は2周目こそ1周目を上回れませんでしたが、3周目に1分36秒268と自己ベストを更新しました。改めてコースに戻った定村選手は3、4周目と徐々にタイムを縮め、5周目に1分46秒530で予選を終えました。

気になるのはシリーズポイントトップの山本選手。4周目まで1分40秒台前半が続き、なかなか本格的なアタックに移らないように見えましたが、5周目に1分36秒004を出すと、6周目に1分35秒789をマークしました。

こうして、「New MINI JCW」の公式予選は、木村選手がポールポジションを獲得。2番手 山本選手、3番手 いとう選手、4番手 定村選手という結果になりました。

一方、「New MINI CPS」はまず辻本選手が「New MINI JCW」のマシンとともにコースインし、EPM RACING TEAMの豆野選手と中澤選手は5分ほど間を置いてピットアウトしました。辻本選手は1周目1分46秒台、2周目1分45秒台とタイムを縮め、3周目に1分44秒777をマーク。4周を走ったところでいったんピットインしますが、その後もう一度コースインし、コンスタントに45秒台を出しながらトータル7周を走行しました。

圧巻だったのは中澤選手です。1周目のアタックであっさりと1分43秒986の好タイムを記録し、3周でピットインしました。これに対し豆野選手は2周目に1分44秒645を出し、4周で予選を終えました。

これにより「New MINI CPS」の公式予選では中澤選手がポールポジションを獲得。続いて2番手 豆野選手、3番手 辻本選手という結果になりました。辻本選手が豆野選手に肉薄する予選タイムをマークしたことにより、「New MINI CPS」は決勝レースのバトルが目の離せないものになりそうです。

 

■決勝レース1(第7戦)

ラウンド4 SUGOの2日目は、いよいよ決勝。決勝レース1(第7戦)が9時55分、決勝レース2(第8戦)が午後3時スタートというスケジュールで2戦が行われます。サーキット周辺には雷注意報が出ていますが、午前中は晴れ。決勝レース1直前の9時30分には気温が29℃、湿度は75%で、風がほとんどないこともあり立っているだけで汗が出てくるような蒸し暑さを感じます。路面温度も50℃近くなり、タイヤマネージメントも重要なレースとなりそうです。

そして決勝レース1は9時58分にスタート。「New MINI JCW」は木村選手がスポーツランドSUGOならではの難しい上り坂からのスタートを無難に決めトップを守り、そのすぐ後方に山本選手が続きます。3番手スタートのいとう選手はわずかに出遅れ、素晴らしい出足を見せた定村選手がストレートで前へ出ました。木村選手、山本選手、定村選手、いとう選手の順で第1コーナーに入っていきますが、第2コーナーに差しかかる前にいとう選手が定村選手を抜き返し、順位を戻しました。

1周目はこの順位のままホームストレートへ戻ってきますが、木村選手、山本選手、いとう選手の差はほとんどなく、このあとも接戦が続きます。なかでも山本選手は何度も木村選手に仕掛けますが、なかなか前へ出ることができません。そんな状況が続きましたが、4周目に入ると山本選手が馬の背コーナーでコースアウト。山本選手はレースに復帰することができず、5周目からセーフティカーが導入されました。

セーフティカーは9周目まで走行。残り5分を切ったところでリスタートとなりましたが、その後は木村選手がいとう選手に2秒前後の差をつけて走行。12周を走りきり、ポール・トゥ・ウィンを飾りました。2位はいとう選手、3位は定村選手、山本選手はリタイヤという結果になりました。

なお「New MINI JCW」のファステストラップは、木村選手が4周目にマークした1分36秒527でした。

一方「New MINI CPS」は、中澤選手、豆野選手、辻本選手ともきれいにスタートを決め、この順位のまま1周目を終えますが、中澤選手と豆野選手が0.388秒差、豆野選手と辻本選手が0.441秒差と大きな開きはありません。しかし、周回を重ねると辻本選手が前をゆく2選手に徐々に離されていきます。ところが5周目からセーフティカーが導入されたため、3台の間隔は再び狭まりました。

そして9周目、残り5分を切ったところでリスタート。豆野選手が最後までプッシュするものの、中澤選手はしっかりと守り切り、12周を走ってチェッカーフラッグを受けました。中澤選手と豆野選手の差もわずかでしたが、途中セーフティカーが導入されたとはいえ、2位 豆野選手と3位 辻本選手の差は1秒ほど。辻本選手がシリーズチャンピオン争いをするふたりに迫る走りを見せ、今後の活躍が期待されるレース展開となりました。

なお「New MINI CPS」のファステストラップは、豆野選手が2周目にマークした1分45秒661でした。

 

 

■決勝レース2(第8戦)

午前中のレース終了後、気温はさらに上昇し、それとともに路面温度も一時は60℃に届きそうなほどでしたが、お昼過ぎから雲が日差しを遮り、風が強さを増したことで少しずつ過ごしやすくなりました。午後2時過ぎには小雨が路面を濡らしましたが大きな影響はありません。直前の天候は気温29℃弱、湿度77%、路面温度は46〜50℃と、決勝レース1に近いものとなりました。午前のレース同様、マシンやタイヤに厳しいコンディションとなりそうです。

さて、今シーズンから「MINI CHALLENGE JAPAN」の決勝レース2はローリングスタートで行われ、スポーツランドSUGOもその例に漏れません。そして、例年通り「リバースグリッド方式」が採用されているのも特徴。決勝レース1の結果をもとに上位60%の順位が逆さまになるので、4台が出場する「New MINI JCW」は、4×0.6=2.4で上位2台が入れ替わります。

これによりポールポジションはいとう選手、2番手が決勝レース1で優勝した木村選手、3番手 定村選手、4番手 山本選手の順番でグリッドに並ぶことになりました。

QUETTAグループがサポートするラウンド4 SUGOには、たくさんのMINIファンがサーキットに詰めかけ、レース前のグリッドウォークでも多くのギャラリーがマシンを間近にして声援を送りました。そして午後3時ちょうどにフォーメーションラップを開始。隊列を整えたマシンがホームストレートに戻ってくると、午後3時2分に決勝レース2がスタートしました。

「New MINI JCW」はきれいにローリングスタートを決め、ストレートで山本選手が定村選手をかわし3番手に順位を上げると、木村選手の後方にぴたりとつきます。そして1周目はこのままいとう選手がトップをまもり、2位 木村選手、3位 山本選手、4位 定村選手の順でコントロールラインを通過しました。その後もいとう選手が1〜2秒ほどの差で木村選手をリードし、木村選手と山本選手が接近戦を繰り広げる展開が続きましたが、5、6周目から少しずついとう選手と木村選手の間隔が狭まります。

すると7周目に入り第1コーナーを抜け、第2コーナーに差しかかったところで、いとう選手がスピン。戦列に戻ることができましたが、木村選手と山本選手に抜かれ3位へと後退しました。これで優勝争いは木村選手と山本選手の一騎打ちとなりましたが、中盤までの山本選手の勢いは影を潜め、両者の差は2〜3秒ほどのまま終盤へ。

こうして木村選手は、7周目にトップに立ったあとは他を寄せ付けず、14周を走りきりトップチェッカーを受けました。木村選手は、思い入れのあるスポーツランドSUGOで見事な2連勝。2位は山本選手、3位はいとう選手、4位が定村選手という結果になりました。

なお、ファステストラップは、木村選手が5周目にマークした1分36秒256でした。

さて熱戦に視線釘付けとなったのは「New MINI CPS」も変わりありません。「New MINI JCW」と同様に「リバースグリッド方式」によって、上位の60%の順位が逆さまになりますが、今回は3台の出場ですので入れ替わりはなく、グリッドは決勝レース1で優勝した中澤選手がポールポジション、2番手 豆野選手、3番手 辻本選手の順番となりました。

そしてローリングスタートをスムーズに決め、1周目は中澤選手がトップでホームストレートに戻ってきます。コンマ6秒差で2番手 豆野選手が続き、そのすぐ後ろから辻本選手が追います。すると2周目に入ったところで豆野選手が中澤選手をパスし、先頭に立ちました。この周回では辻本選手のタイムも中澤選手を上回り、1周目と変わらぬ接戦が続きます。

3台は7周目までコンスタントに1分46秒台で周回。8周目からそれぞれペースが落ち始めますが、豆野選手と中澤選手は1分47秒台を保つものの豆野選手のラップタイムがわずかに速く、ふたりの差は徐々に開いていきました。こうして13周を終え、豆野選手が中澤選手に6秒以上の差をつけて優勝。2位 中澤選手、3位 辻本選手という結果になりました。

なお「New MINI CPS」では、豆野選手と中澤選手選手がいずれも3周目に1分46秒018をマークし、ふたりがファステストラップを記録しています。

 

MINI CHALLENGE JAPAN.2024シーズンは、ラウンド4 スポーツランドSUGOに続き、ラウンド5 富士スピードウェイ、そして最終ラウンドはモビリティリゾートもてぎが舞台となり、全6ラウンド、12戦でシリーズタイトルを争います。これからの「BMW & MINI Racing」の熱戦に、どうぞご期待ください。

Round.5以降の「BMW & MINI Racing.2024」のレースカレンダーは以下の通り。

 

Round.5

第9戦/第10戦  富士スピードウェイ(静岡県)

予選:10月5日(土)、決勝:10月6日(日)

 

Round.6

第11戦/第12戦 モビリティリゾートもてぎ(栃木県)

予選:11月23日(土)、決勝:11月24日(日)

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