Schedule Race Report- Round.5 FUJI SPEEDWAY

RACE REPORT

BMW & MINI Racing.Round.5
FUJI SPEEDWAY

BMW & MINI Racing. Race Report —–Round.5 FUJI SPEEDWAY

  • M2 CS Racing Series
  • MINI CHALLENGE JAPAN

【M2 CS Racing】Round.5 レースレポート

サーキット専用車両「BMW M2 CS Racing」によるワンメイクレース、「BMW & MINI Racing.2023 Rd.5 at FUJI SPEEDWAY」が、2023年10月7日(土)、8(日)の2日間にわたり、静岡県の富士スピードウェイで開催されました。

F1日本グランプリ開催にあわせた特別戦「BMW & MINI Racing. 2023 EXTRA ROUND」から2週間後。シリーズはいよいよ終盤戦に突入し、誰が2023シーズンのチャンピオンを獲得するのかも気になる時期となってきました。

「BMW & MINI Racing.2023」は、「M2 CS Racing Series」と「MINI CHALLENGE JAPAN」という2つのレースカテゴリーが共催され、走る側、観る側の両者が楽しめる魅力的なシリーズ。2年目の2023シーズンは、全6ラウンド・12戦でシリーズを争い、各地のサーキットを転戦しています。

そして「M2 CS Racing Series」は、日本で唯一の“BMW Group Japan”のオフィシャルレースです。BMW M社とBMW Motorsportが共同開発した限りなくピュア・レーシングカーに近いクラブ・スポーツ・モデル「BMW M2 CS Racing」によるワンメイクレースで、スタイリッシュかつスポーツ・ラグジュアリーな大会として注目を集めています。

富士スピードウェイでのレース開催は、5月に行われたラウンド2に続いて今季2度目。メインスタンド前の約1.5kmロングストレートを、200km/hを優に超えるスピードで駆け抜けるマシンの姿はじつに壮観ですが、各コーナーでのバトルも見どころ。なかでも長いストレート直後の第1コーナー(TGRコーナー)は、オーバーテイクの最大のポイントとなります。

さて、「M2 CS Racing Series」は、レースをさらに楽しみ尽くすために独自のレースフォーマットを採用しています。ひとつ目は、1日に2回の決勝レースを戦う「1デイ2レース」で、ラウンド5 富士スピードウェイにおいては、1日目となる7日にまず予選が行われ、翌8日に2回の決勝レースを戦うスケジュールが組まれました。

楽しみ尽くすためのレースフォーマットのふたつ目は「リバースグリッド方式」。決勝レース1は予選のタイムでスターティンググリッドが決まりますが、決勝レース2については決勝レース1の上位60%までを「逆さま」に入れ替えてスターティンググリッドに並ぶというルールで、1戦目で好成績をあげたドライバーの追い上げに注目が集まることになります。

さらにもうひとつ、「サクセス・ハンディ制」を採っているのも「M2 CS Racing Series」の大きな特徴です。これは、優勝すると次のラウンド以降はマシンの出力調整が行われるもの。「BMW M2 CS Racing」のデフォルトの出力は450馬力ですが、優勝すると次のラウンドからは420馬力に出力が絞られ、続くラウンドで優勝を重ねるとさらに365馬力へとパワーダウンします。

このほか、国内トップカテゴリーで確かな実績を残しているドライバーは、規定により「プラチナドライバー」と認定。プラチナドライバーはマシンの出力が450馬力から420馬力へと抑えられた状態での参戦となります。このように「M2 CS Racing Series」では、ワンメイクレースならではの接戦をさらにヒートアップさせるレースフォーマットが採用されています。

ラウンド5は7日の公式予選が午後2時50分から30分間、8日は決勝レース1(第9戦)が午前10時00分から、決勝レース2(第10戦)が午後4時05分から、それぞれ20分間+1周で争われます。10月に入りようやく過ごしやすい気候となりましたが、両日ともやや不安定な空模様で、8日は降雨がありそうな気配。タイヤのチョイスや空気圧管理なども、マシンのパフォーマンスを引き出すための大きなカギになりそうです。

【M2 CS Racing Series.2023 Round.5のエントリーリスト】

8 近藤 翼 Studie BMW M2

19 奥村 浩一 BRP★Toto BMW M2 CS Racing

25 水元 寛規 TECH-M eWell M2 CS Racing

46 山西 康司 Elbe BMW M2 CS Racing

47 舟越 裕介 未来都市開発 砂子塾M2 CS Racing

50 神頭 政志 GOOU M2 CS Racing with TECH-M

55 石井 一輝 DGMS M2 CS Racing

56 加納 政樹 YZ M2 CS Racing

60 阿部 良太 Abe Motors M2 CS Racing

70 片山 剛 K-TEC M2 CS Racing with TECH-M

101 髙橋 裕史 BMW Legal Top Racing

初参戦となるのが、♯56 加納 政樹選手。さまざまなカテゴリーで活躍しており、プラチナドライバーと認定されての出場。従ってマシンのパワーは420馬力となります。なお、ラウンド5では加納選手のほか、♯8 近藤 翼選手と♯46 山西 康司選手が365馬力、♯19 奥村 浩一選手が420馬力へと出力調整を受けています。

さらに初参戦ドライバーがもうひとり。Team Abe Motorsから出場の♯60 阿部 良太選手です。阿部選手は共催されている「MINI CHALLENGE JAPAN」の「New MINI JCW」への参戦経験を持つジェントルマンドライバー。こうして11台のマシンが集結し、迫力を増したバトルが繰り広げられそうです。

そして、ラウンド5 富士スピードウェイ、ラウンド6 鈴鹿と残り2ラウンドとなり、大いに気になるのがシリーズチャンピオンの行方です。ラウンド4を終えた時点でのポイントランキングは、1位が389ポイントを獲得している水元選手で、2位が270ポイントの奥村選手、3位が215ポイントの♯78 服部 文雄選手、4位が202ポイントの山西選手と続いています。結果次第では水元選手がラウンド5でシリーズチャンピオンを決めることがあり得るため、レースの展開から目が離せません。

■予選

1日目はやや風が強いものの天候は晴れ。午後2時50分から始まる公式予選は、トータル30分間でアタックが行われますが、前半の15分を「M2 CS Racing Series」のマシン、後半の15分を「MINI CHALLENGE JAPAN」のマシンが走行します。

開始直前は気温20℃、湿度60%弱とようやく暑さから解放されたラウンドとなり、オンタイムで公式予選が始まりました。なお、♯101 髙橋 裕史選手は、前日の練習走行におけるマシントラブルのため、未出走となり、ラウンド5は10台の「M2 CS Racing」で争われることになりました。

10台のマシンは一斉にコースイン。1周目に個メインストレートに戻ってきた時点でもステアリングを右へ左へと切り返し、まだタイヤを温めているマシンも見かけましたが、2周目にはかなりペースが上がり、加納選手が1分57秒126で周回。水元選手1分58秒046、阿部選手1分58秒252、♯55 石井 一輝選手1分59秒416と2分切りのタイムを刻んできました。

さらに♯47 舟越 裕介選手が1分52秒117、奥村選手が1分56秒155で2周目を終え、いよいよ3周目に本格的なアタックがスタートしました。すると、各車が立て続けに1分51秒台をマーク。♯50 神頭 政志選手が1分51秒301、舟越選手が1分51秒377、石井選手が1分51秒436、奥村選手1分51秒670、加納選手が1分51秒771を記録しました。

一方、4周目に照準を定めていたのが水元選手。ひとり1分50秒を切り、1分49秒653でトップに立ちました。4周目には舟越選手が1分51秒249、加納選手が1分51秒275とタイムを縮め、♯70 片山 剛選手が1分55秒538を記録。さらに5周目には石井選手が1分50秒539、神頭選手が1分50秒568、阿部選手が1分52秒736をマークし、365馬力のマシンを駆るふたりのドライバー、近藤選手は7周目に1分51秒913、山西選手は4周目に1分53秒266の自己ベストを出しています。

こうして公式予選の結果は、ポールポジションが水元選手、2番手 石井選手、3番手 神頭選手、4番手 舟越選手、5番手 加納選手、6番手 奥村選手、7番手 近藤選手、8番手 阿部選手、9番手 山西選手、10番手 片山選手という結果となりました。なお、片山選手はピットレーンの速度規制違反によりペナルティが課されましたが、グリッド順に変更はありません。ちなみに5番手の加納選手までが富士スピードウェイにおける「M2 CS Racing」のレコードタイムを記録しています。

 

■決勝レース1(第9戦)

翌8日は朝から雲が空を覆い、肌寒さを感じる天気。第9戦(決勝レース1)、第10戦(決勝レース2)と2度の決勝レースが行われますが、夕方に行われる決勝レース2は、降雨がありそうで状況の変化がレースに大きく影響を与えるかもしれません。

午前中に行われる決勝レース1の直前は、気温15℃、湿度50〜60%で、コースはドライコンディション。そんななかスケジュールがやや遅れて進行し、10時にフォーメーションラップが開始、10時4分にレースがスタートしました。

するとポールポジションの水元選手を抑え、好ダッシュを決めた2番グリッドの石井選手が先頭で第1コーナーを通過。水元選手は石井選手にピタリと張りつき、その後方ではインから神頭選手、アウト側から加納選手が追いかけます。この4台の後方では、片山選手、舟越選手、近藤選手、山西選手が激しくポジションを争い、さらに奥村選手と阿部選手が続きました。

そうして1周目は、石井選手がトップでコントロールラインを通過。1秒ほどの差で水元選手が続き、3位 神頭選手、4位 加納選手、5位 片山選手、6位 舟越選手、7位 奥村選手、8位 山西選手、9位 阿部選手 、10位 近藤選手の順でメインストレートに戻ってきました。

4周目まではこのままの順位でレースが進行し、トップを争う2台が3位以降を次第に引き離す展開となりました。しかし、5周目の最終コーナー手前で水元選手が石井選手を捉え、ついにトップを奪取。石井選手は諦めることなく、水元選手を追走。6〜7周目はコンマ5秒ほどの差で張りつきましたが、8周目以降は次第に離されてしまいます。

一方、8位を走っていた山西選手が、6周目に奥村選手を抜いて7位へ、さらに9周目には舟越選手が片山選手を捉え5位にポジションアップ。以降は各車の順位は変わることなく、12周を終えたところでレースは終了。優勝は水元選手、2位 石井選手、3位 神頭選手、4位 加納選手、5位 舟越選手、6位 片山選手、7位 山西選手、8位 奥村選手、9位 阿部選手 、10位 近藤選手という結果になりました。なおファステストラップは、水元選手が5周目にマークした1分50秒104でした。

 

■決勝レース2(第10戦)

午前中はなんとか天気が持ちこたえたものの、午後には雨が降り出し、決勝レース2はウェットコンディションでの開催となりました。レース直前の気温は13.8℃。風はほとんどありませんが、午前中よりさらに肌寒く感じます。

さて、冒頭の説明のように、M2 CS Racing Seriesのレースフォーマットにおいて大きな特徴となっているのが、決勝レース2は決勝レース1の順位の上位60%までを「逆さま」に入れ替えてグリッドに並ぶという「リバースグリッド方式」です。

ラウンド5は11台のエントリーとなりますので、11×0.6=6.6で、決勝レース1の上位6台の順位が入れ替わり、ポールポジションは片山選手、2番手 舟越選手、3番手 加納選手、4番手 神頭選手、5番手 石井選手、そして6番手が前戦で優勝した水元選手となり、さらに7番手 山西選手、8番手 奥村選手、9番手 阿部選手、10番手 近藤選手の順で、全車ダンロップのレインタイヤを装着しスターティンググリッドに並びました。

そして午後4時09分に決勝レース2の幕が切って落とされました。雨のなかワイパーを使用しヘッドライトを点灯してのレースとなりましたが、フロント、ローの片山選手と舟越選手がまずまずのスタートを切り、舟越選手が先頭で、片山選手がそれに続きます。一方、水元選手も素晴らしいダッシュを決め一気に3位まで浮上。さらに石井選手も水元選手と3位を争います。

そんな手に汗握るバトルから抜け出して、1周目のトップに経ったのが加納選手です。3番手スタートだった加納選手は、コカコーラコーナーから100Rにかけて2位に浮上し、ダンロープコーナーを抜けたところで舟越選手をパスしてトップへ。そのままメインスタンド前へ戻ってきました。

そしてもう一台、あっという間にポジションを上げてきたのが近藤選手です。最後尾スタートながら、コカコーラコーナーでは6位までジャンプアップ。以降も着実に順位を上げ、1周目は4位につけました。

こうして1周目は、1位 加納選手、2位 片山選手、3位 水元選手、4位 近藤選手、5位石井選手、6位 山西選手、7位 神頭選手、8位 舟越選手、9位 奥村選手 、10位 阿部選手という順位でコントロールラインを通過しました。

一方、3位につけた水元選手は、じわりじわりと前を行く2台に迫ります。そして2周目に片山選手を捉えて2位へポジションアップし、加納選手との距離を縮めていきます。そして3周目にはコントロールラインを通過する直前で加納選手を抜き去りついにトップに立つと、加納選手を引き離し最終的には8秒近い差をつけてチェッカーフラッグを受け、2連勝を飾りました。

そして2位は加納選手、3位は近藤選手、4位は山西選手、5位は石井選手、6位は片山選手、7位は舟越選手、8位は神頭選手、9位は奥村選手、10位は阿部選手という結果になりました。なお、ファステストラップは、近藤選手が6周目にマークした2分4秒260でした。

さて、ラウンド5の結果により、2023年の「M2 CS Racing Series」のシリーズチャンピオンは♯25 水元 寛規選手が獲得。水元選手は昨年に続いての栄冠で2連覇を達成しています。

M2 CS Racing Series.2023シーズンは、残すところ最終ラウンドは鈴鹿サーキットのみとなります。最後まで応援のほど、よろしくお願いいたします。

最終ラウンドの日程は以下の通り。

Round.6

第11戦/第12戦 鈴鹿サーキット(三重県)

予選:12月2日(土)、決勝:12月3日(日)

【MINI CHALLENGE JAPAN】Round.5レースレポート

テール・ツー・ノーズの大激戦が繰り広げられるワンメイクレース、「BMW & MINI Racing.2023 Rd.5 at FUJI SPEEDWAY」が、2023年10月7日(土)、8(日)の2日間にわたり、静岡県の富士スピードウェイで開催されました。

F1日本グランプリ開催にあわせた特別戦「BMW & MINI Racing. 2023 EXTRA ROUND」から2週間後。シリーズはいよいよ終盤戦に突入し、誰が2023シーズンのチャンピオンを獲得するのかも気になる時期となってきました。

「BMW & MINI Racing.2023」は、「M2 CS Racing Series」と「MINI CHALLENGE JAPAN」という2つのレースカテゴリーが共催され、走る側、観る側の両者が楽しめる魅力的なシリーズ。2年目の2023シーズンは、全6ラウンド・12戦でシリーズを争い、各地のサーキットを転戦しています。

そして「MINI CHALLENGE」は、英国で2002年に始まったNew MINIだけのワンメイクレースで、「MINI CHALLENGE JAPAN」は2018年より各地のサーキットを転戦するシリーズ戦が始まりました。本格レース車両による「New MINI JCW」に加え、ナンバー付き車両で戦う「New MINI CPS」の2クラスが設けられ、New MINIのキャラクターも相まって、よりフレンドリーなモータースポーツとして、MINIファンのみならず幅広いクルマ好きの方々から注目を集めています。

富士スピードウェイでのレース開催は、5月に行われたラウンド2に続いて今季2度目。メインスタンド前の約1.5kmロングストレートを、200km/hを優に超えるスピードで駆け抜けるマシンの姿はじつに壮観ですが、各コーナーでのバトルも見どころ。なかでも長いストレート直後の第1コーナー(TGRコーナー)は、オーバーテイクの最大のポイントとなります。

さて、「MINI CHALLENGE」は、レースをさらに楽しみ尽くすために独自のレースフォーマットを採用しています。ひとつ目は、1日に2回の決勝レースを戦う「1デイ2レース」で、ラウンド5 富士スピードウェイにおいては、1日目となる7日にまず予選が行われ、翌8日に2回の決勝レースを戦うスケジュールが組まれました。

楽しみ尽くすためのレースフォーマットのふたつ目は「リバースグリッド方式」。決勝レース1は予選のタイムで、「New MINI JCW」、「New MINI CPS」それぞれのスターティンググリッドが決まりますが、決勝レース2については決勝レース1の上位60%までを「逆さま」に入れ替えてスターティンググリッドに並ぶというルールで、1戦目で好成績をあげたドライバーの追い上げに注目が集まることになります。

ラウンド5は7日の公式予選が午後2時50分から30分間、8日は決勝レース1(第9戦)が午前10時00分から、決勝レース2(第10戦)が午後4時05分から、それぞれ20分間+1周で争われます。10月に入りようやく過ごしやすい気候となりましたが、両日ともやや不安定な空模様で、8日は降雨がありそうな気配。タイヤのチョイスや空気圧管理なども、マシンのパフォーマンスを引き出すための大きなカギになりそうです。

【MINI CHALLENGE JAPAN.2023 Round.5のエントリーリスト】

<New MINI JCW>

1 木村 建登 TEAM QUETTA F56JCW EVO

9 平田 雅士 IDI 平田空調 RH坂井 F56JCW

34 MASA JUKE VETRO F56JCW evo

57 天田 亮 Abe Motors F56JCW evo

<New MINI CPS>

3 大西 久之 SYCG Racing MINI津/四日市 F56CPS

5 大堀 佳祐 M.A.R.T. F56CPS

32 川福 健太 IDI アウティスタ MINI F56CPS

36 定村 吉高 CIZ・TECH-M/TEAM ABE MOTORS F56CPS

73 ジュン クーパー JUN COOPER MINI F56CPS

77 石橋 威洋 ピットハウス・石’s MINI・F56CPS

「New MINI JCW」のポイントランキングは、ラウンド4を終えた時点で、トップが♯1 木村 建登選手で432ポイントを獲得。そして2位は309ポイントの♯9 平田 雅士選手で、3位が292ポイントの♯57 天田 亮選手、4位が232ポイントの♯34 MASA選手と続きます。木村選手が2連覇を目指して好調な走りを維持していますが、平田選手も悲願のシリーズチャンピオン獲得へ向けて意欲を燃やしています。

一方、「New MINI CPS」は、ラウンド3まで♯30 白戸 次郎選手がトップでしたが、ラウンド4を欠場したこともあり川福選手が319ポイントで逆転。2位は246ポイントの白戸選手、3位が292ポイントの♯3 いとう りな選手、4位が191ポイントの♯36 田中 瑞起選手、5位が183ポイントの♯73 ジュン クーパー選手と上位に並びます。白戸選手はラウンド5も欠場しているため、川福選手が富士スピードウェイでシリーズチャンピオンを決める可能性は少なくありません。

■予選

午後2時50分から始まる公式予選は、トータル30分間でアタックが行われますが、前半の15分を「M2 CS Racing Series」のマシンが走行し、後半の15分を「MINI CHALLENGE JAPAN」のマシンがアタックします。したがって、マシンがコースインするのは午後3時05分予定となります。開始直前はやや風が強かったものの天候は晴れ。気温20℃、湿度60%弱とようやく暑さから解放されたラウンドとなり、オンタイムで公式予選が始まりました。

「New MINI JCW」は平田選手が先頭を走り、離れて木村選手、天田選手、MASA選手が続きますが、木村選手は1周目でルーティンのピットイン。タイヤの温まり方を考慮して、前後タイヤを入れ替え、再びコースインしました。

続いて2周目になると平田選手が2分2秒639をマーク。まだまだタイヤが温まっていないようで、天田選手とMASA選手も2分7秒〜10秒台と本格アタックには至りません。3周目には、平田選手が2分01秒154、天田選手が2分04秒435、MASA選手が2分 07秒391を記録。ようやくコンディションが整ったようで、いよいよ4周目に本格的なアタックが始まりました。

すると、天田選手が1分58秒409、MASA選手が2分 03秒129と大きくタイムを縮めてきましたが、平田選手は2分00秒979といまひとつタイムが伸びません。どうやらマシンにトラブルを抱えているようで、本来の走りを披露することができない様子。

一方、タイヤの前後入れ替えを行った木村選手は、3周目にグリップがしっかり引き出せるようタイヤを温めると、予定通り4周目でアタック。すると1分56秒836の目覚ましいタムをたたき出します。それでも木村選手は5周目もアタックを続行し、1分56秒493とタイムを塗り替えました。じつは木村選手、富士スピードウェイにおける「New MINI JCW」のコースレコードを狙っていたそうで、見事にそれを実現しています。

その後は、天田選手が6周目に1分57秒738、MASA選手が7周目に2分01秒148と自己ベストを更新。こうして「New MINI JCW」の公式予選は、ポールポジションが木村選手、2番手が天田選手、3番手が平田選手、4番手がMASA選手という結果になりました。

「New MINI CPS」も「New MINI JCW」と同じように、ポイントランキングトップを行くドライバーが、素晴らしいアタックを披露しました。ジュン クーパー選手を先頭に走行がスタートすると、2周目にどのマシンも2周目からアタック開始。ジュン クーパー選手が2分10秒007を出すと、ラウンド2でミニチャレンジにデビューし、今回が2戦目となる♯5 大堀 佳祐選手が2分10秒758と続きます。

しかし、これを一気に上回ったのが昨年のシリーズチャンピンである川福選手。2分07秒473をマークしトップに立ちます。以降は、♯3 大西 久之選手が4周目に2分10秒542、そして大堀選手が2分10秒618と自己ベストを塗り替え、♯77 石橋 威洋選手が7周目に2分13秒471、♯36 定村 吉高選手が2分13秒508をマークしました。

これにより「New MINI CPS」の公式予選は、ポールポジションを川福選手が獲得。2番 ジュン クーパー選手、3番手 大西選手、4番手 大堀選手、5番手 石橋選手、6番手 定村選手という結果になりました。

 

■決勝レース1(第9戦)

10月8日は、第9戦(決勝レース1)、第10戦(決勝レース2)と2度の決勝レースが行われますが、夕方に行われる決勝レース2は降雨に見舞われる可能性が高く、状況の変化がレースに大きく影響を与えそうです。

またこの日は朝から雲が空を覆い、肌寒さを感じる天気。午前中に行われる決勝レース1の直前は、気温15℃、湿度50〜60%で、タイヤの温まりは遅いかもしれません。そんななかスケジュールがやや遅れて進行し、10時にフォーメーションラップが開始。10時4分にレースがスタートしました。

「New MINI JCW」はポールポジションの木村選手が素晴らしいダッシュを見せしっかりとトップをキープ。2番手 天田選手、3番手 平田選手、4番手 MASA選手の順で第1コーナーをクリアしました。序盤、コカコーラコーナーでMasa選手がスピンしコースアウトしましたが、すぐに復帰し前を行く3台を追いかけます。

「New MINI JCW」の各マシンはこの順位のままメインスタンド前へ戻ってきましたが、ストレートで間隔を詰めた天田選手が、2周目に入った第1コーナーで木村選手をパスしトップに立ちました。今シーズンにおける天田選手の躍進には目を見張るものがありますが、木村選手も冷静に対処し離されぬよう追走します。

すると今度は3周目に入った第1コーナーで、木村選手が天田選手を捉え再び先頭へ。5周目には2.4秒まで差が開き、木村選手のペースでレースが進んでいきました。一方、平田選手も2台の前へ出たいところですが、天田選手との差はなかなか縮まりません。7周目を終了した時点では、1位と2位、2位と3位の差はそれぞれ4秒前後に開いていました。

その後は4台のマシンの間隔がさらに広がったため順位に変動はなく、木村選手が12周を終え2位の天田選手に6秒以上の差をつけてチェッカーフラッグを受けました。そして3位は平田選手、4位はMASA選手。なおファステストラップは、木村選手が3周目にマークした1分56秒864でした。

一方「New MINI CPS」は、ポールポジションの♯32 川福 健太選手が冷静にスタートを決めるとイン側へとラインを取り、2番グリッドのジュン クーパー選手の前へ出て、そのまま第1コーナーへと飛び込んでいきました。ジュン クーパー選手の後ろには大堀選手と大西選手、そして定村選手と石橋選手が続き、このままの順位で1周目の周回を終えました。

トップを走る川福選手のペースは後続を寄せつけない速さで、1周目で2.8秒あまり、2周目で4.8秒近くと、どんどんライバルたちを引き離していきました。また、2位以降の5台のマシンの間隔も開きはじめ、レースは順位が変わらぬまま進んでいきます。

川福選手は12周を走り、2位に22秒037の大差をつけて優勝。2位はジュン クーパー選手、3位は最後にジュン クーパー選手に0.416秒差まで迫った大堀選手、4位は大西選手、5位は定村選手、6位は石橋選手という結果となりました。なおファステストラップは、川福選手が2周目にマークした2分08秒017でした。

 

■決勝レース2(第10戦)

予報の通り午後には雨が降り出し、決勝レース2はウェットコンディションでのレースとなりました。レース直前の気温は13.8℃。風はほとんどありませんが、午前中よりさらに肌寒く感じます。

冒頭の説明のように、MINI CHALLENGE JAPANのレースフォーマットにおいて大きな特徴となっているのが、決勝レース2は決勝レース1の順位の上位60%までを「逆さま」に入れ替えてグリッドに並ぶ「リバースグリッド方式」です。

「New MINI JCW」は、4台のエントリーですので4×0.6=2.4で、決勝レース1の上位2台の順位が入れ替わり、ポールポジションは天田選手、2番手 木村選手、3番手 平田選手、4番手 MASA選手の順番で、全車ダンロップのレインタイヤを装着してスターティンググリッドに並びました。

そして午後4時05分、フォーメーションラップが始まり、午後4時09分に決勝レース2の幕が切って落とされました。メインストレートでは木村選手と平田選手にすぐ後ろまで迫られたものの、ポールポジションの天田選手がトップを守りきり第1コーナーへ向かいます。木村選手は滑りやすい路面状況ということも考慮したのか1周目は無理をせず、平田選手に続く3番手のポジションをキープします。

そして1周目は、天田選手を先頭に、平田選手、木村選手、MASA選手の順でコントロールラインを通過しましたが、2周目には平田選手が天田選手をパスしてトップへ浮上。木村選手は天田選手の後方で前へ出る機会をうかがいます。

このまま7周目まで順位に変動なくレースが進みますが、8周目に平田選手が後退し、天田選手がトップ、木村選手も続いて2位へポジションアップしました。そして最終周となった11周目に木村選手がついに天田選手を捉えトップへ躍り出るとそのままフィニッシュ。

ところが、このタイミングでイエローフラッグが出されていたため、木村選手には黄旗区間追い越し禁止違反により30秒加算のペナルティが課されたため、優勝は天田選手、2位が木村選手、3位が平田選手、4位がMASA選手という結果となりました。なおファステストラップは、平田選手が4周目にマークした2分10秒768でした。

さて、「New MINI CPS」の決勝レース2は、川福選手の速さが際立つ展開となりました。「New MINI JCW」と同様に「リバースグリッド方式」が適用され、こちらは6台のエントリーですので6×0.6=3.6で、決勝レース1の上位3台の順位が入れ替わってスターティンググリッドに整列。ポールポジションは大堀選手。2番手 ジュン クーパー選手、3番手 川福選手、4番手 大西選手、5番手 定村選手、6番手 石橋選手というグリッド順になりました。

雨のなか、ワイパーを使用しヘッドライトを点灯してのレースとなりましたが、スタートすると川福選手はインから2台を抜き去りあっという間にトップへ駆け上がり、前をいく「New MINI JCW」のマシンにも追いつきそうな勢いで後続を引き離しにかかります。

そして1周目を終えコントロールラインを通過するときには、2位につける大堀選手との差がすでに2.8秒も開いていました。3位 ジュン クーパー選手、4位 大西選手、5位 石橋選手、6位 定村選手と続きレースが進みます。

2周目には、大西選手がジュン クーパー選手をかわして3位へ浮上しますが、その後は順位の入れ替わりはなく、さらにアドバンテージを積み重ねて2位に40秒以上の差をつけた川福選手が、ラウンド5 富士スピードウェイ 2連勝を飾りました。

2位は大堀選手、3位は大西選手、4位はジュン クーパー選手、5位は石橋選手、6位は定村選手という結果になり、ファステストラップは川福選手が2周目にマークした2分18秒708でした。

さて、ラウンド5の結果により、「New MINI JCW」、「New MINI CPS」ともに2023年のシリーズチャンピオンが決定。「New MINI JCW」は♯1 木村 建登選手が昨年に続き栄冠を手にしました。また「New MINI CPS」は、♯32 川福 健太選手がチャンピオンを獲得し、川福選手も2連覇を達成しています。

MINI CHALLENGE JAPAN.2023シーズンは、残すところ最終ラウンドは鈴鹿サーキットのみとなります。最後まで応援のほど、よろしくお願いいたします。

最終ラウンドの日程は以下の通り。

Round.6

第11戦/第12戦 鈴鹿サーキット(三重県)

予選:12月2日(土)、決勝:12月3日(日)

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