RACE REPORT
BMW & MINI Racing.2023 Round.2 HIGHLIGHTS
BMW & MINI Racing. Race Report —–2023 Round.2 Race03/Race04
【M2 CS Racing】2023 Season Round.2 (第3戦・第4戦) レースレポート
ワンメイクレースならではの醍醐味を感じることができる「BMW & MINI Racing.2023 Rd 2 at FUJI SPEEDWAY」が、2023年5月 13日(土)、14(日)の2日間にわたり、静岡県の富士スピードウェイで開催されました。
「BMW & MINI Racing.2023」は、「MINI CHALLENGE JAPAN」と「M2 CS Racing Series」という2つのレースカテゴリーが共催されています。2年目を迎えた2023シーズンは、昨年の全5ラウンド・10戦から、1ラウンド増えて全6ラウンド・12戦となり、エントラントも観戦に訪れたBMWファンどちらも白熱したバトルがより楽しめるシリーズへと進化しました。
「M2 CS Racing Series」は、日本で唯一の“BMW Group Japan”のオフィシャルレースです。BMW M社とBMW Motorsportが共同開発した限りなくピュア・レーシングカーに近いクラブ・スポーツ・モデル「BMW M2 CS Racing」によるワンメイクレースで、よりスタイリッシュ、そしてスポーツ・ラグジュアリーな大会として注目を集めています。
そしてラウンド2の舞台となるのが、10月にラウンド5も行われる富士スピードウェイ。メインスタンド前に約1.5kmロングストレートをレイアウトした高速コースで、市販車をベースとしたマシンによるワンメイクレースにおいても、200km/hを優に超えるスピードでホームストレートを駆け抜けます。
また、長いストレート直後の第1コーナー(TGRコーナー)はオーバーテイクの最大のポイントとなり、各マシンのライン取りやブレーキング勝負などの駆け引きが見どころ。このほかにも迫力あるバトルが繰り広げられるコーナーが数多くレイアウトされ、観戦者を楽しませてくれるレース展開が予想されます。
さて、「M2 CS Racing Series」には、レースをさらに楽しみ尽くすために独自のレースフォーマットを採用しています。ひとつ目は、1日に2回の決勝レースを戦う「1デイ2レース」で、ラウンド2は1日目となる13日にまず予選が行われ、翌14日に2回の決勝レースを戦うスケジュールで進められました。
そしてもうひとつは、「リバースグリッド方式」。決勝レース1は予選のタイムでスターティンググリッドが決まるのですが、決勝レース2については決勝レース1の順位の上位60%までを「逆さま」に入れ替えてスターティンググリッドに並ぶというルールで、1戦目で好成績を挙げたドライバーの追い上げに注目が集まることになります。
さらにもうひとつ、「サクセス・ハンディ制」を採っているのも「M2 CS Racing Series」の大きな特徴です。これは、優勝すると次のラウンド以降は最終戦を除きマシンの出力調整が行われるものです。BMW M2 CS Racingのデフォルトの出力は450馬力ですが、優勝すると次のラウンドからは420馬力に出力が絞られます。このように「M2 CS Racing Series」では、ワンメイクレースならではの接戦をさらにヒートアップさせるレースフォーマットが採用されているのです。
【M2 CS Racing Series.2023 Round.2のエントリーリスト】
8 青木 拓磨 Studie BMW M2
19 奥村 浩一 BRP★Toto BMW M2 CS Racing
25 水元 寛規 TECH-M eWell M2 CS Racing
47 舟越 裕介 未来都市開発 砂子塾M2 CS Racing
55 石井 一輝 DGMS M2 CS Racing
70 片山 剛 K-TEC M2 CS Racing with TECH-M
78 服部 文雄 BMW RS PANTERA Racing
101 髙橋 裕史 BMW Legal Top Racing
ラウンド2 富士スピードウェイには、8台のマシンがエントリー。開幕戦で2連勝を飾り、今シーズンもその実力を見せつけているディフェンディングチャンピオン ♯25 水元 寛規選手のほか、昨シーズン2位の♯55 石井 一輝選手、3位の♯19 奥村 浩一選手、4位の♯101 髙橋 裕史選手は2年目の「M2 CS Racing Series」に挑むドライバーです。
一方、ラウンド2では、♯8 青木 拓磨選手、♯47 舟越 裕介手、♯70 片山 剛選手、♯78 服部 文雄選手の4名が、今シーズンから「M2 CS Racing Series」を戦う初参戦組。そのなかでもロードレース世界選手権GP500クラスなどで輝かしい戦績を残し、アクシデントで車椅子生活となったあともさまざまなカテゴリーのモータースポーツに参戦する青木選手が、BMW Team Studieより出場するのが話題となっています。
ラウンド2には以上8選手が出場しますが、勝負の行方を左右すると思われるのが水元選手の走り。ラウンド1の結果を受け、「サクセス・ハンディ制」が適用され30馬力出力が絞られたマシンで、どのような戦いを見せるのか? 練習走行でのアクシデントにより開幕戦への出場がかなわなかった石井選手が、その悔しさをバネにして水元選手を捉えることができるのか? まずは予選のタイムに注目が集まります。
■予選
ラウンド2が行われた週末はあいにくの空模様で、終始雨が路面を濡らすウェットコンディションとなりました。1日目の予選は午後2時時5分にスタート。全車がレインタイヤをチョイスし、水元選手を先頭に、奥村選手、片山選手、石井選手、服部選手、舟越選手、髙橋選手の順でコースインします。気温は14℃とあまり上がらず、水しぶきが上がるような状況のため、各車間隔をとりながらしっかりとタイヤを温めていきます。
それでも2周目には多くのマシンが2分10秒台前半を記録するほどペースが上がり、服部選手がいち早く2分8秒884と、2分10秒を切るタイムをマークしました。水元選手は3周目に2分9秒590で追随しますが、本気のアタックを行ったのは直後の4周目。一気にタイムを縮め2分5秒322をたたき出しました。
服部選手も周回を続けますが自身のベストタイムを塗り替えることはできず2番手タイムのままで、その後髙橋選手が2分9秒468、片山選手が2分9秒635、奥村選手が2分9秒930と9秒台にタイムを入れてきました。さらに奥村選手が2分8秒981をマークすると、舟越選手が8周目に2分8秒094、高橋選手が2分8秒884と自己ベストを塗り替えます。
各選手のタイムがほぼ出揃ったなかで、まだアタックを行っていなかったのが石井選手です。残り時間6分ほどのところからペースを上げていくと、予選時間ぎりぎりのところで2分7秒340の好タイムを記録しましたが、水元選手には届きません。こうしてポールポジションは2番手に2秒以上の差をつけた2分5秒322の水元選手、2番手は2分7秒340の石井選手、3番手は2分8秒094の舟越選手、以下2分8秒097の高橋選手、2分8秒884の服部選手、2分8秒981の奥村選手、2分9秒501の片山選手と続きました。なお、青木選手は前日の練習走行でマシントラブルがあり、予選に出走することができませんでした。
■決勝レース1(第3戦)
ラウンド2 富士スピードウェイの2日目は、午前10時30分より決勝レース1(第3戦)、午後4時5分より決勝レース2(第4戦)というタイムスケジュールで2レースが行われます。前日と同様に空は雨雲に覆われ、決勝レース1がもうすぐ始まろうかという10時前あたりから雨が降り出し、次第に雨脚が強まりました。スタート直前の気温は14℃と、予選と同じようなコンディションで、各車ともレインタイヤを装着してグリッドに並びました。
そして午前10時35分、予定より5分遅れて決勝レース1がスタート。ポールポジションの水元選手が危なげなく先頭に立つと、そのままトップで第1コーナーへ進入します。そして後方では、ややホイールスピンにより出遅れたものの石井選手が2番手をキープし、3番手には服部選手が躍進。4番手 舟越選手、5番手 髙橋選手、6番手 片山選手、7番手 奥村選手の順で、大きな混乱はなく第1コーナーを抜けていきました。
しかし、そのあとのコカ・コーラコーナーで髙橋選手がスピンしコースアウト。レースには戻れずリタイヤとなりました。残る6台はこの順位のままメインスタンド前へ戻ってきましたが、トップの水元選手は2位の石井選手との間にすでに2秒半あまりの差をつけていました。水元選手は次第に雨脚が弱くなるなか、周回を重ねるごとにタイム差を広げ、4周を終えたところで5秒あまりのアドバンテージを築きます。
そして、20分+1周のレースは11周にて終了となりましたが、水元選手がサクセス・ハンディ制によるパワーの差を感じさせない走りを披露し、2位に10秒以上の差をつけて優勝。2位 石井選手、3位 服部選手、4位 舟越選手、5位 片山選手、6位 奥村選手という結果になりました。なお、石井選手にはグリッド停止位置に対するスタート違反による5秒のタイムペナルティが課されましたが、順位には影響しませんでした。
また、決勝レース1のファステストラップは水元選手が10周目に記録した2分3秒425で、このレースにおいてただひとり2分3秒台をマークしています。水元選手は開幕戦から3連勝。決勝レース2はリバースグリッド方式によるスタートで後方から追い上げなければならなりませんが、連勝記録を伸ばせるのかにも注目が集まります。
■決勝レース2(第4戦)
雨は降り止まず、午前中のレースと同様にウェットコンディションとなった決勝レース2。やはり気になるのは、スターティンググリッドです。決勝レース2は決勝レース1の順位から上位60%を逆さに入れ替えてグリッドにつく「リバースグリッド方式」を採用しているため、前戦で好成績を収めたドライバーが後方のグリッドにつくことになります。
「M2 CS Racing Sereis」ラウンド2 決勝レース2では、決勝レース1の上位4台の順位が入れ替わり、ポールポジションには舟越選手、2番手 服部選手、3番手 石井選手、4番手 水元選手、5番手 片山選手、6番手 奥村選手、6番手 高橋選手の順番で、全車レインタイヤを装着しスターティンググリッドに並びました。
そして午後4時5分、タイムスケジュール通りに決勝レース2がスタート。フロントローに並んだ舟越選手と服部選手がスタートをスムーズに決め、トップ、2番手を堅持し第1コーナーへ進入。その後方に石井選手、水元選手、片山選手、奥村選手、高橋選手と続きました。1周目はこの順位のままコントロールラインを通過し、昨年のシリーズチャンピオンと総合2位のふたりを押さえつつ、舟越選手と服部選手がレースをリードします。
しかし2周目に入ると石井選手と水元選手が、前をいく2台との差を徐々に詰め、まずは石井選手が300Rのインから服部選手を追い抜き2位へポジションアップ、これに続いて水元選手も3位へ順位を上げ、2周目を終えました。
そして3周目も激しいバトルが続きます。2番手を走る石井選手は再び300Rで仕掛け、ダンロップコーナー手前で舟越選手を捉えトップへと躍り出ました。続く4周目には水元選手がスリップストリームを巧みに使って舟越選手に並びストレートで追い抜き2位へ。その後は石井選手と水元選手の差が次第に縮まり、2台のトップ争いとなります。
4周を終えた時点で石井選手と水元選手の差は1秒ほどありましたが、5周目にはコンマ199と僅差に。すると水元選手はストレートで石井選手に並び、第1コーナーでインから追い抜き、ついにトップに立ちました。6周を終えてメインスタンド前に戻ってくると、2台の差はすでに2.5秒あまりに開き、その後はセーフティリードを保ちながら水元選手がトップでチェッカーフラッグを受けました。
水元選手は4番グリッドからの驚きの追い上げで開幕から4連勝。2位 石井選手、3位 舟越選手、4位 片山選手、5位 高橋選手、6位 奥村選手、7位 服部選手という結果になりました。服部選手は4番手でフィニッシュしましたが、ランオフエリア走行後の追い越しにより30秒加算のペナルティが課されています。なお、なおファステストラップは、水元選手が7周目にマークした2分5秒063でした。
M2 CS Racing Series.2023シーズンは、ラウンド2 富士スピードウェイに続き、ラウンド3 岡山国際サーキット、ラウンド4 スポーツランドSUGO、ラウンド5 富士スピードウェイ、そして最終ラウンドは鈴鹿サーキットが舞台となり、全6ラウンド、12戦でシリーズタイトルを争います。これからの「BMW & MINI Racing」の熱戦に、どうぞご期待ください。
Round.3以降の「BMW & MINI Racing.2023」のレースカレンダーは以下の通り。
Round.3
第5戦/第6戦 岡山国際サーキット(岡山県)
予選:6月24日(土)、決勝:6月25日(日)
Round.4 スポーツランドSUGO(宮城県)
第7戦/第8戦
予選:8月5日(土)、決勝:8月6日(日)
Round.5
第9戦/第10戦 富士スピードウェイ(静岡県)
予選:10月7日(土)、決勝:10月8日(日)
Round.6
第11戦/第12戦 鈴鹿サーキット(三重県)
予選:12月2日(土)、決勝:12月3日(日)
【MINI CHALLENGE JAPAN】2023 Season Round.2 (第3戦・第4戦) レースレポート
「BMW & MINI Racing.2023 Rd 2 at FUJI SPEEDWAY」が、2023年5月 13日(土)、14(日)の2日間にわたり、静岡県の富士スピードウェイで開催されました。
「BMW & MINI Racing.2023」は、「MINI CHALLENGE JAPAN」と「M2 CS Racing Series」という2つのレースカテゴリーが共催されています。2年目を迎えた2023シーズンは、昨年の全5ラウンド・10戦から、1ラウンド増えて全6ラウンド・12戦となり、エントラントも観戦者どちらも白熱したバトルがより楽しめるシリーズへと進化しました。
「MINI CHALLENGE」は、英国で2002年に始まったNew MINIだけのワンメイクレースで、「MINI CHALLENGE JAPAN」はエキシビションレースが2017年に開催され、2018年より各地のサーキットを転戦するシリーズ戦が始まりました。本格レース車両による「New MINI JCW」に加え、ナンバー付き車両で戦う「New MINI CPS」の2クラスが設けられ、New MINIのキャラクターも相まって、見ても、走っても、よりフレンドリーなモータースポーツとして、MINIファンのみならず幅広いクルマ好きの方々から注目を集めています。
「MINI CHALLENGE JAPAN」のラウンド2は、10月にラウンド5も行われる富士スピードウェイが戦いの舞台。メインスタンド前に約1.5kmロングストレートをレイアウトした高速コースで、市販車をベースとしたマシンによるワンメイクレースにおいても、200km/hを優に超えるスピードでホームストレートを駆け抜けます。
また、長いストレート直後の第1コーナー(TGRコーナー)はオーバーテイクの最大のポイントとなり、各マシンのライン取りやブレーキング勝負などの駆け引きが見どころ。このほかにも迫力あるバトルが繰り広げられるコーナーが数多くレイアウトされ、観戦者を楽しませてくれるレース展開が予想されます。
さて、「MINI CHALLENGE JAPAN」は、レースをさらに楽しみ尽くすために独自のレースフォーマットを採用しています。ひとつ目は、1日に2回の決勝レースを戦う「1デイ2レース」で、ラウンド2は1日目となる13日にまず予選が行われ、翌14日に2回の決勝レースを戦うスケジュールで進められました。
そしてもうひとつは、「リバースグリッド方式」。決勝レース1は予選のタイムでスターティンググリッドが決まるのですが、決勝レース2については決勝レース1の順位の上位60%までを「逆さま」に入れ替えてスターティンググリッドに並ぶというルールで、1戦目で好成績を挙げたドライバーの追い上げに注目が集まることになります。
【MINI CHALLENGE JAPAN.2023 Round.2のエントリーリスト】
<New MINI JCW>
1 木村 建登 TEAM QUETTA F56JCW EVO
9 平田 雅士 IDI 平田空調 RH坂井 F56JCW
34 MASA JUKE VETRO F56JCW evo
57 天田 亮 Abe Motors F56JCW evo
500 Charlie Cooper TEAM 5ZIGEN F56JCW
<New MINI CPS>
3 いとう りな SYCG Racing MINI津/四日市 F56CPS
12 小林 哲男 オヤジレーシング 12号車 MINI F56CPS
30 白戸 次郎 モレキュール 萬雲塾 MINI F56CPS
32 川福 健太 IDI アウティスタ MINI F56CPS
36 定村 吉高 CIZ・TECH-M/TEAM ABE MOTORS F56CPS
52 古田 聡 MINI KOFU F56CPS
54 菊池 秀樹 神奈川 秦野 カーボイス F56CPS
73 ジュン クーパー JUN COOPER MINI F56CPS
77 石橋 威洋 ピットハウス・石’s MINI・F56CPS
190 恩塚 一将 BRP★F56CPS LCI2
「New MINI JCW」には、2年連続のシリーズチャンピオンを狙う♯1 木村 建登選手、悲願のチャンピオン獲得に闘志を燃やす♯9 平田 雅士選手、正規ディーラーチーム、TEAM Abemotorsがサポートし今季初参戦の♯34 MASA選手、TEAM Abemotorsが擁するもう一台のマシンを走らせ進境著しい♯57 天田 亮選手の4人が開幕戦に続いてエントリーしました。
そんななか、大きな話題となったのは、もうひとりの“海外”からの参戦ドライバー。JCWブランドのグローバルアンバサダーを務めるチャーリー・クーパー選手が来日し、TEAM 5ZIGENから「New MINI JCW」に挑むことになったのです。チャーリー・クーパー選手は、2019年9月に富士スピードウェイで行われたミニチャレンジジャパンのレースに出場しており、欧州でのレース経験も豊富。日本のMINIファンの前でレースができることを、とても喜んでいました。
一方、「New MINI CPS」は、ラウンド1の第1戦で初参戦初優勝の快挙を成し遂げた♯12 小林 哲男選手と、第2戦で劇的な逆転勝利に歓喜した♯32 川福 健太選手のふたりを軸にレースが展開すると思われていましたが、なんと一昨年に「New MINI CPS」のシリーズチャンピオンに輝いた♯52 古田 聡選手がMINI KOFU F56CPを駆りスポット参戦!これによりさらに濃密なバトルが繰り広げられるのは必至。さらに楽しみなレースとなりました。
また、「New MINI CPS」には、♯3 いとう りな選手、♯30 白戸 次郎選手、♯36 定村 吉高選手、♯73 ジュン クーパー選手がラウンド1に引き続きエントリーし、♯190 恩塚 一将選手は昨年以来の参戦となっていますが、初参戦組も期待に胸を膨らませつつ登場。♯54 菊池 秀樹 選手、♯77 石橋 威洋選手の2選手が「New MINI CPS」デビューを果たしました。
■予選
1日目に行われた20分間の公式予選は、スケジュール通り午後2時5分にスタート。予選開始時の気温は14度、コースのところどころには水溜まりもできるようなウェットコンディションで、全車がレインタイヤを選択して公式予選に臨みます。
「New MINI JCW」のマシンは、天田選手が先頭を切ってコースインし、MASA選手、チャーリー・クーパー選手、平田選手、木村選手と続きました。序盤のウォーミングアップ中にスピンするマシンも見受けられ、路面は想像以上に滑りやすい様子。慎重なドライビングでタイヤに熱を入れていきますが、それでも2周目には天田選手が1分13秒740をマークし、他の選手も徐々にペースアップしていきます。
そして4周目にしっかりとタイムを刻んできたのが平田選手。2分12秒023でトップに立ちます。しかし5周目に入った木村選手が2分10秒517と記録を塗り替え、さらに天田選手が2分10秒881で木村選手に続きました。平田選手も6周目に2分11秒678と自己ベストを更新しますが、上位ふたりには届きません。
さらに残り時間がわずかになったところで、つかず離れず走行していた木村選手と天田選手が7周目にタイムさらに削り、天田選手が2分10秒063、木村選手が2分10秒396を記録。逆転した天田選手の勢いは止まらず、続く8周目に2分9秒680と自己ベストを塗り替えます。
また、チャーリー・クーパー選手は9周目に2分13秒299、MASA選手は8周目に2分15秒283と、ともに最終アタックで自己ベストをマークし、「New MINI JCW」は終盤までそれぞれのタイムが更新される展開となりました。この結果ポールポジションは2分9秒680の天田選手が獲得。2番手は2分10秒396の木村選手、3番手は2分11秒678の平田選手、4番手は2分13秒299のチャーリー・クーパー選手、5番手は2分15秒283のMASA選手という結果となりました。
一方、「New MINI CPS」は、ジュン クーパー選手、小林選手、菊地選手、川福選手、恩塚選手、古田選手、いとう選手、石橋選手、定村選手、白戸選手の順番で一斉にコースイン。
まずは川福選手が2周目に2分20秒012、3周目に2分18秒243、そして4周目に2分17秒635と周回を重ねるごとにトップタイムを更新していきました。これを追いかけるように古田選手が4周目に2分18秒865をマークし、さらに7周目に2分18秒084へと自己ベストを更新しますが、川福選手のタイムには届きません。
さらに熾烈だったのが、小林選手といとう選手の3番手争いです。ラウンド1の決勝レース1で優勝した小林選手は序盤になかなかタイムを伸ばせず、5周目でようやく2分21秒803を記録し3番手へと浮上。その後いとう選手が2分21秒470を6周目に出し順位が入れ替わりますが、小林選手が2分20秒840と自己ベストを更新し、再び3番手の座を奪い返しました。
こうしてポールポジションは2分17秒635の川福選手、2番手が2分18秒084の古田選手、3番手が2分20秒840の小林選手、以下分21秒470のいとう選手、2分22秒350の白戸選手、2分23秒398の恩塚選手、2分26秒482の定村選手、2分29秒215のジュン クーパー選手、2分30秒149の菊地選手、2分33秒949の石橋選手と続きました。
■決勝レース1(第3戦)
2日目は、午前10時30分より決勝レース1(第3戦)、午後4時5分より決勝レース2(第4戦)が行われるというタイムスケジュールで、雨は一時やんでいましたが、決勝レース1がもうすぐ始まろうかという10時前から再び降り出しました。スタート直前の気温は14℃と予選と同じようなコンディションとなり、各車ともレインタイヤを装着してグリッドに並びます。
そして午前10時35分、雨が小降りになるなか予定よりやや遅れて決勝レース1がスタート。「New MINI JCW」はポールポジションの天田選手が素晴らしいスタートダッシュを披露し、トップで第1コーナーへ入ります。その後方では木村選手と天田選手が2位争いを展開。コカ・コーラコーナーは天田選手、平田選手、木村選手、チャーリー・クーパー選手、MASA選手の順番で通過し、1周目はそのままホームストレートに戻ってきました。
2周目に入ると平田選手と木村選手のバトルがより激しさを増し、ダンロップコーナーで平田選手がオーバーラン。木村選手が2位に浮上します。すると木村選手は3周を終えたところで前をいく天田選手に0.6秒差と肉薄。そして5周目に入るストレートで天田選手の後方にピタリとつきスリップストリームを使うと、2台が並びながら第一コーナーへ向けてブレーキング勝負となり、インに入っていた木村選手がついに先頭に立ちました。
木村選手は少しずつ天田選手を引き離し、その後はしっかりとトップをキープ。後方では、平田選手が8周目に天田選手を捉え、2位にポジションアップします。そして20分+1周のレースは11周で終了し、優勝は木村選手、2位 平田選手、3位 天田選手、4位 チャーリー・クーパー選手、5位 MASA選手という結果になりました。
なお、ファステストラップは平田選手が4周目にマークした2分10秒397で、天田選手とチャーリー・クーパー選手には、グリッド停止位置に対するスタート違反による5秒のタイムペナルティが課されましたが、順位に変わりはありませんでした。
一方、「New MINI CPS」は、10台のバトルがどのように展開するのか注目されましたが、スタート直後にポールポジションの川福選手がぐっとインに切れ込み古田選手と併走します。その後方から小林選手が追いかけますがやや失速し、間隙を縫っていとう選手がポジションアップ。さらにその後ろには恩塚選手と白戸選手がピタリとつけ、第1コーナーは目を離せぬ混戦状態となりました。
その第1コーナーでは白戸選手オーバーランしましたが大きなアクシデントはなく、続くコカ・コーラコーナーでは古田選手が順位を下げたものの、その後も川福選手、小林選手、いとう選手、恩塚選手、古田選手、白戸選手の接戦は続きます。さらに定村選手、ジュン クーパー選手、石橋選手、菊地選手が第2集団となり、序盤から見応えのあるレースとなりました。
そして川福選手がトップで1周目を終えると、小林選手、恩塚選手、いとう選手、古田選手、白戸選手、定村選手、ジュン クーパー選手、菊地選手、石橋選手の順でコントロールラインを通過しました。しかしその直後、第1コーナーで小林選手と恩塚選手が接触し、両者ともにコースアウト。2台ともにリタイヤとなりました。
トップを追いかけていた2台のアクシデントにより川福選手の独走となりましたが、それでも2番手へと上がった古田選手と、すぐ後ろを走るいとう選手が追走します。しかし大きな順位の変動はなくレースは10周で終了し、川福選手が今季2勝目をあげました。2位は古田選手、3位はいとう選手で、4位 定村選手、5位 ジュン クーパー選手、6位 菊池選手、7位 石橋選手、8位 白戸選手という結果となりました。なおファステストラップは、川福選手が2周目にマークした2分18秒430でした。
■決勝レース2(第4戦)
午前中のレースと同様に決勝レース2はウェットコンディションとなりました。そんななか、注目を集めたのはスターティンググリッドです。決勝レース2は決勝レース1の順位から上位60%を逆さに入れ替えてグリッドにつく「リバースグリッド方式」を採用しているため、前戦で好成績を収めたドライバーが後方のグリッドにつくことになります。
「New MINI JCW」は、決勝レース1の上位3台の順位が入れ替わり、ポールポジションは天田選手、2番手 平田選手、そして3番手が前戦で優勝した木村選手となります。さらに4番手 チャーリー・クーパー選手、5番手 MASA選手の順番でスターティンググリッドに並びました。
同様に「New MINI CPS」にも「リバースグリッド方式」が適用されますが、10台のエントリーですので決勝レース1の上位6台の順位が入れ替わることになりました。ラウンド2で初参戦の菊池選手がポールポジションとなり、2番手 ジュン クーパー選手、3番手 定村選手、4番手 いとう選手、5番手 古田選手、6番手 川福選手、7番手 石橋選手、8番手 白戸選手、10番手 小林選手、11番手 恩塚選手というグリッド順になりました。
「New MINI JCW」は決勝レース1でも序盤は平田選手、木村選手を押さえて快走を見せた天田選手が、どのようなレース展開に持ち込めるのか興味深いところですが、午後4時5分、タイムスケジュール通りに決勝レース2が始まりました。5台ともスムーズにスタートを切りましたが、なかでも好ダッシュを見せたのが天田選手で、先頭のまま第1コーナーへ。これに平田選手、木村選手、チャーリー・クーパー選手、MASA選手と続き、そのまま1周目を終えました。
2周目も順位は変わりませんでしたが、3周目に入った第1コーナー手前で平田選手がインをつき、天田選手の前へ出ます。しかし、すぐに天田選手が抜き返しトップを守りました。一方、2周を走ったところでチャーリー・クーパー選手のマシンにトラブルが発生しピットイン。残念ながらコースへ戻ることはなく、そのままリタイヤとなりました。
天田選手、平田選手、木村選手の接近戦はその後も続き、3周を終えてコントロールラインを通過する時点では平田選手がトップに立ったものの、すぐに天田選手が抜き返し再び先頭へ。すると今度は平田選手と木村選手の2位争いが激しくなり、5周目には木村選手が2位へ浮上。しかし7周目に再び平田選手が抜き返すという目を離せない展開になりました。
その間にセーフティマージンを確保したのが天田選手です。そして以降は危なげないレース展開でトップを守りきり、チェッカーフラッグを受けました。天田選手はうれしい初優勝。2位は平田選手、3位が木村選手、4位がMASA選手という結果になりました。なおファステストラップは、木村選手が3周目にマークした2分10秒403でした。
一方、「New MINI CPS」は、序盤から大きく順位が入れ替わるレースとなりました。ポールポジションの菊池選手はスタートでやや出遅れ、2番グリッドのジュン クーパー選手が最初に第1コーナーへ飛び込みます。そのイン側へ一気に駆け上がってきたのが古田選手、さらにアウト側には川福選手といとう選手が迫り、コカ・コーラコーナーを通過する時点では古田選手がトップに立っていました。
こうして1周目は、先頭が古田選手、2位 川福選手、3位 いとう選手、4位 ジュン クーパー選手、5位 小林選手、6位 白戸選手、7位 定村選手、8位 恩塚選手、9位 菊池選手、10位 石橋選手の順番でコントロールラインを通過しました。
川福選手は古田選手に仕掛ける機会をうかがいますが、なかなか隙を見つけることができず、2、3、4、5、6、7周と順位が変わることはありませんでした。しかし、8周目にコカ・コーラコーナーで古田選手のマシンのスピードが伸びないのを見てとると、川福選手がすかさず前へ出てトップへ。6番手スタートからついに首位奪還となりました。
20分間+1周のレースは、川福選手の優勝で幕を閉じ、2位 古田選手、3位 いとう選手、4位 小林選手、5位 白戸選手、6位 恩塚選手、7位 ジュン クーパー選手、8位 定村選手、9位 菊池選手、10位 石橋選手という結果になりました。なおファステストラップは、古田選手が6周目にマークした2分18秒858でした。
MINI CHALLENGE JAPAN.2023シーズンは、ラウンド2 富士スピードウェイに続き、ラウンド3 岡山国際サーキット、ラウンド4 スポーツランドSUGO、ラウンド5 富士スピードウェイ、そして最終ラウンドは鈴鹿サーキットが舞台となり、全6ラウンド、12戦でシリーズタイトルを争います。これからの「BMW & MINI Racing」の熱戦に、どうぞご期待ください。
Round.3以降の「BMW & MINI Racing.2023」のレースカレンダーは以下の通り。
Round.3
第5戦/第6戦 岡山国際サーキット(岡山県)
予選:6月24日(土)、決勝:6月25日(日)
Round.4 スポーツランドSUGO(宮城県)
第7戦/第8戦
予選:8月5日(土)、決勝:8月6日(日)
Round.5
第9戦/第10戦 富士スピードウェイ(静岡県)
予選:10月7日(土)、決勝:10月8日(日)
Round.6
第11戦/第12戦 鈴鹿サーキット(三重県)
予選:12月2日(土)、決勝:12月3日(日)